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十六万市民投句 作品
◆ 平成18年9月度

投句総数 464句
選者 :高木 万翠
特選
ダム底に沈む生家や法師蝉
大垣市  日比野定雄
鐘楼門広き空あり百日紅
大垣市  安田 直隆
稗を引く農夫夕日の中にかな
大垣市  川瀬 貞枝
秀逸
参道は神秘の木立蝉しぐれ
不破郡垂井町  岩手 邦雄
廃屋の軒に瓢箪孝子の地
不破郡垂井町  久保田紘義
鶏頭の色をつくして種こぼす
大垣市  坪井 克枝
豊の秋夫婦船出の輪中かな
大垣市  森川きよ子
初秋刀魚土間通りぬけ藁煙る
大垣市  後藤智津子
同じ事また聞く母や里の盆
大垣市  日比野茂子
水匂ふ里の昼餉や早稲の秋
大垣市  日比野友子
鰯雲いくさの止まらぬ国いくつ
大垣市  吉川つや子
空青く色より小さき秋なすび
大垣市  横幕 武子
西美濃の高楼に在り今朝の秋
鈴鹿市  仲見  孝
入選
養老線線路に沿ひて蔓珠沙華
養老郡養老町  田中 純一
秋草を活けし窓辺や遠伊吹
大垣市  今津 正元
空蝉の両眼透けて琥珀色
不破郡垂井町  岩田 妙子
大まかに生きて傘寿や天高し
大垣市  棚橋 正恵
落蝉の骸拾ひし結びの地
大垣市  米山 方士
道標べ空蝉爪を離さざり
大垣市  安田 信雄
箸袋に句の整ひし鮎の宿
一宮市  坂野真砂子
父遺す愚直に生きよ草の花
大垣市  三宅ヒサエ
切り売りの西瓜でたりる二人かな
大垣市  安田 直隆
朝顔やその色愛でし濃むらさき
大垣市  松岡  正
水門川秋の雲つれたらい舟
大垣市  米山 方士
秋暑し湧水まろき八幡宮
名古屋市  稲垣 徹弘
ふるさとに志士の歌碑あり秋桜
大垣市  神野 武彦
明日なき蜩の声きれぎれに
大垣市  春日井 博
秋思かな中指の返り母に似て
大垣市  下村 常子
不揃ひの鉛筆削る夜長かな
大垣市  矢橋 郁子
蟷螂の親子や風にかまへをり
大垣市  久富キヌエ
稲の波輪中で囲む義士の墓
大垣市  中井 君子
山門の防火バケツやちちろ鳴く
大垣市  加古川幸江
猫じゃらし風を遊びし下校の子
大垣市  川口千代子
選者吟
蟋蟀に栖ゆずりし古竈
万 翠


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