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十六万市民投句 作品
◆ 平成19年12月度

投句総数 607句
選者 :伊藤 百雲
特選
小春日や何はさておき靴を履く
大垣市  神野 武彦
熱燗や大風呂敷と交す盃
大垣市  新町 恵子
座敷まで明るくなりぬ松手入
大垣市  辻  富子
秀逸
秋空に取り残されし雲一つ
大垣市  島岡 嘉明
道行きの一人疲れて菊人形
東京都世田谷区  関戸 信治
風音も山の眠りをさからわず
不破郡垂井町  鈴浦さだ子
向きあふて何もいはずに根深汁
大垣市  秋山くに子
伊吹嶺にしたがう山も眠りけり
海津市  吉田 秀子
ふる里の村は市となり山眠る
大垣市  伊藤 京子
モーニングサービス勤労感謝の日
大垣市  若園  博
伊吹嶺に名残の空の二日月
大垣市  三宅ヒサヱ
旅に出る神に開かる太鼓橋
大垣市  村田 通夫
一村の空占めて伸び雁の棹
安八郡安八町  旭野 和子
入選
業平の墓の亀裂や木の実落つ
大垣市  坪井 克枝
りょ田に野の日耀ふ過疎の村
安八郡安八町  坂  君子
冬桜かそけきいろを結びの地
愛知県一宮市  木村 品子
秋のばら色を大事に咲きにけり
静岡県浜松市  鈴木 浜子
吹く風に陽の透く彩や吊し柿
大垣市  安田 信雄
冬ごもりひとりの音を立てゝ住む
大垣市  二村かず枝
一舟を繋ぎ船町小春かな
愛知県稲沢市  渡辺  茂
どんぐりの見目よき方を子に持たす
安八郡神戸町  高橋  泰
小春日や母の歩幅の杖の音
埼玉県熊谷市  林  靖子
しろがねに川光らせて掛大根
三重県伊勢市  茂谷  孝
雪吊りの縄新しき芯柱
大垣市  野村多佳子
枯尾花靡く彼方は古戦場
大垣市  羽賀 文一
まっ先に見せてくれたる木の実独楽
大垣市  末守 節子
平凡が倖といふ日向ぼこ
不破郡垂井町  臼井 梅乃
柚子の香のほにかに残る風呂洗ふ
大垣市  川口千代子
枯るるものみな枯れ風の音尖る
大垣市  矢橋 郁子
庭師来て鋏の音の秋日濃し
安八郡安八町  川合 貞子
極月や電飾にある木の孤独
大垣市  新町 恵子
冬の雲たった一人のティータイム
大垣市  相馬みさ子
しみじみと除夜の鐘聞く床の中
大垣市  高橋 智静
選者吟
等圧線伸び縮みして年暮るる
百雲


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