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十六万市民投句 作品
◆ 平成22年1月度

投句総数 445句
選者 :柴田 由乃
特選
境内の日向を弾み初雀
安八郡神戸町  高橋  泰
伸び切って唸り止まざる凧の糸
愛知県半田市  矢浦 詠正
かれはちるジャングルジムでおにごっこ
不破郡垂井町  谷口明日香(小五)
秀逸
山茶花のこぼれつぐなり地の湿り
大垣市  村田 桃村
真っ白な鳩の一群初御空
大垣市  大橋 ふみ
野も山も光に満ちて春を待つ
大垣市  橋 郁子
瑞雲のむかうの初日拝みけり
大垣市  矢橋 郁子
寒稽古見事一本豆剣士
大垣市  新町 恵子
夜のあらし明けて静かに雪の町
大垣市  多和田一徳
買初の鈴の音のよき干支の寅
大垣市  清水登美子
日脚伸ぶ終業ベルの明るさよ
安八郡神戸町  木幡 美幸
去年今年鐘のながれに移りいく
安八郡輪之内町  新田 範夫
おはようで鞘に戻りし冬の朝
愛知県岡崎市  鈴木 正紘
入選
植ゑ足せし若木いっぽん冬桜
大垣市  尾関 逸子
冬の湖くはへ煙草で魚を釣る
大垣市  佐藤すみ子
川風の通る道筋懸大根
大垣市  棚橋 正恵
ジーパンの重たく乾く冬至かな
東京都  関戸 信治
毛糸編む娘の美しき爪化粧
大垣市  伊藤 京子
豆煮ゆる玻璃戸の曇り年用意
埼玉県熊谷市  林  靖子
根深汁すすり輪中に老いにけり
大垣市  村田 通夫
不景気の果つる兆しや初茜
大垣市  川瀬 幸子
六段の調べを耳に年の酒
大垣市  早崎美弥子
元朝や靜諡の中積る雪
大垣市  林  芳江
初雪をどんと貰ひて四苦八苦
大垣市  川口千代子
幼子に目くばせをしてかるたとり
大垣市  名和よちゑ
冬山の遭難またも去年今年
大垣市  辻  富子
生業の節の手かざす火桶かな
不破郡垂井町  江崎 真一
寅の絵の百種百態年賀状
大垣市  川瀬喜梅古
配達の身幅が程の雪をかく
大垣市  大井 公夫
山茶花の紅をはじきて朝の雨
大垣市  久保田悟義
音すべて包みて雪の夜明けかな
大垣市  永井田鶴子
隣りまで春の来てゐる地のぬくみ
大垣市  田村 一子
ベランダにお隣さんと御慶かな
千葉県柏市  清水 幸男
選者吟
身の内の水あたたむる生姜酒
由乃


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