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平成15年度
大会入選句集

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芭蕉蛤塚忌全国俳句大会 入選作品
◆ 平成15年度 事前投句の部 入選

入選
樅一樹残して鷹の巣立ちけり 東京都 井上 光人
荒御輿回れば人の渦回る 三重県 中村とし子
初鵜飼水の固さをほぐしつつ 愛知県 斎藤 佳織
ひぐらしやもう来れぬ膝無言館 岐阜県 平岡すみゑ
小人閑居して蟻の列乱す 茨城県 古家  博
親不知越えて来しよと早桃売 茨城県 吉田飛龍子
降る雪や能登には能登の屋根瓦 愛知県 松下 時吉
晩年や音して薄き種袋 埼玉県 前田 虹雨
奥美濃の夜はあかあかと踊唄 岐阜県 片野 築夫
草刈の半ばに赤い日の出かな 岐阜県 佐竹 義雄
みささぎに鳥の寝落ちし十三夜 大阪府 岩室 凡骨
しぐれ忌や殺生石に幾ぼとけ 栃木県 中里 信良
梅雨じめる寝藁に子牛うづくまる 愛知県 加藤 行恵
揚げ舟をいまも輪中に盆の月 三重県 岩間 冴子
化け猫に成り手のなくて村芝居 愛知県 神野 吉久
薄情と言う情あり夏氷 滋賀県 勝間 公子
世阿弥忌の花野は水の中にまで 岐阜県 山下美夜子
草いきれ振りきつていく少年期 愛知県 金子 恵美
稲妻や桶より伸びし蛸の足 茨城県 梅原 昭男
堂脇に音立て溢る山清水 三重県 吉田きみ子
夏の月アマゾン濁るとこしなへ ブラジル 増田 恆河
焼鳥の串を数へて國憂ふ 岐阜県 川嶋 千秋
石蹴れば秋水音をもて応ふ 愛知県 宮田 秀雪
本陣の蔵をかこみて麦青し 岐阜県 高田 敏郎
母の日の家族写真の母小さし ブラジル 中川千江子
み仏に見守られゐて三尺寝 愛知県 太田 英友
夕蝉に草の匂ひの髪を解く 石川県 南野喜美子
おしゃべりなCD吊って鳥威 千葉県 安藤喜代子
役終へし雪吊に降る春の雪 新潟県 桑原 章路
鑿入るる一位の木目冴返る 岐阜県 松井 秀子
菜の花を摘み土筆摘み一人の餉 三重県 川口 登子
白壁に時移ろひぬ沙羅の花 福井県 河合 敏子
穀象や自立神経未だ癒えず 滋賀県 川瀬 正子
蚕ざかりや朝から母の跣足袋 埼玉県 志村 美好
継ぎ足して梯子のきしむ松手入 岐阜県 小森 楓園
蛇の尾に静かな力ありにけり 岐阜県 須 良子
病む母に嘘かさねつつうちわ風 埼玉県 森泉 双輪
夢抱き来しブラジルよ露涼し ブラジル 菅井 勝代
アマゾンの木の実独楽とて荒々し ブラジル 栢野 桂山
遠く来て水門川の秋惜しむ 大分県 小野ひさし
脱ぎきれず高きに乾ぶ竹の皮 岐阜県 歌川雅秋子
たまゆらの光りとなりて沙羅落花 岐阜県 川合 知子
よく喋べるプールの中の男の子 岐阜県 二村紀久子
名月や小さな駅の時刻表 群馬県 深沢 頼子
雨の日は雨の客来る夏炉焚く 千葉県 増田 義一
武家屋敷門の内なる蟻地獄 岐阜県 小澤 藍花
近江から螢をさげて峠越す 岐阜県 渡辺 一三
朱夏なれば記憶一つを反芻す 東京都 今野 良二
切岸に声の大きく雄鹿の眼 山口県 宇草 達子
夫婦にて別々に書く登山票 群馬県 島方 峰庵
麦踏みの折返すとき天仰ぐ 埼玉県 前田 早苗
省略の極み一閃はたた神 神奈川県 蓮見ふじ江
鍵っ子にきんきらきんの天の川 神奈川県 三宅 境川
水嵩の増えて女瀧も雄叫びす 富山県 但田 長穂
片蔭を来て片蔭の翁像 愛知県 水野 幸子
奥殿の葺替の茅二千束 富山県 野原すみ子
黒揚羽晴間の風に乗りにけり 岐阜県 玉置 幸枝
時雨忌の昼月嶺に残りけり 東京都 佐山 五稜
夢抱き来しブラジルよ露涼し ブラジル 菅井 勝代
日本に帰りそびえて日向ぼこ ブラジル 梅村 冴子
生き延びし兵らの集ふ終戦日 島根県 新田 素水

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