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平成29年度
大会入選句集

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芭蕉蛤塚忌全国俳句大会 入選作品
◆ 平成29年度 事前投句の部 入選

入選
薄明の鏡に映る若菜かな
福岡県 井本 元義
時止めて逃げる百足虫を打ちにけり
山口県 永田 芳子
手放せばはや水のもの流灯会
愛知県 中本 英治
夏座敷一番奥に赤子寝る
兵庫県 江見  巌
小満や輪中に水の往きわたり
岐阜県 大西 誠一
たんぽぽの切符がいるの縄電車
愛知県 金森 政水
盥舟の雲流れてや蛤塚忌
岐阜県 伊藤 見慧
ちんまりと男の子の徴浮いて来い
岐阜県 寺井 由起
麦秋や引き戸透かして志賀の里
兵庫県 西川 明美
終戦日湯気立つ飯を供へけり
岐阜県 松野登志江
稚のかたちの陽炎を抱き上ぐる
愛知県 舘野 茂子
岐阜蝶の先へさきへと金華山
奈良県 中西 恭代
先を行く子を呼んでゐる螢狩
東京都 塩原佐和子
母になほ問ふことあまた茄子の花
岐阜県 田中 紫香
母となり農婦となりて種を蒔く
岐阜県 服部 綾美
一管の笛に始まる夏祓
愛知県 林  よね
支へあふ丈そよがせて余り苗
岐阜県 福井みどり
はだしの子追ふ子も跣足走り去る
岐阜県 矢橋 郁子
竹の子の目立つ高さで皮を脱ぐ
三重県 大堀 祐
万緑や盤座の幣新しく
岐阜県 田中 雅子
静けさは生絹のひかり沙羅の花
岐阜県 田 未知緒
小玉西瓜叩けば甘さこだまする
群馬県 深沢 頼子
かげもたぬとうすみ影を出て蔭へ
三重県 海野さちこ
街薄着どこかで何かこわれそう
埼玉県 早乙女文子
野を駆けて子ら夕焼けを広げたり
三重県 米野てるみ
抜け殻に身を反らしたる羽化の
愛知県 石井 雅之
雷鳥の子連の歩みただ見つめ
岐阜県 土田 錠逸
夏遍路少し遊んで桂浜
岐阜県 説田 祐子
一礼に二礼を返す白日傘
岐阜県 吉田 弘子
水打つてうだつの町を鎮めけり
岐阜県 太田 玉枝
持て成しの志野や織部や嫁菜飯
愛知県 足達紀代子
羅に風のとびつく岐阜羽島
岐阜県 度会さち子
早春の虹ワイパーで消すまじき
岐阜県 西川寿嘉子
月下美人咲ききる時の座にありて
岐阜県 田邊 桂月
青あらし明治の金貨売りにゆく
富山県 不破 元之
坂道を登れば飯屋いわし雲
愛知県 西尾桃太郎
朝東風や陶焼く人のまだ無名
岐阜県 寺本 久仁
どの路地も水音あふるる蛤塚忌
愛知県 応本 秀子
余生とは墓を守ること生身魂
愛知県 猪子  都
水門へ水は動かず梅雨の蝶
愛知県 中根由起子
三川に触れ愁燕のひるがへる
岐阜県 森川きよ子
伊吹より夏の風来る剣道場
岐阜県 松居 聖子
飛び石は女の歩幅苔の花
岐阜県 岡田けい子
母の手で兎になりし林檎かな
岐阜県 増田 俊彦
甲冑の紐くれなゐに秋惜しむ
愛知県 水野 幸子
薫風や洗車の水を惜しみなく
岐阜県 富田 澄江
長電話台風の目が通りけり
岐阜県 近藤 はる
虫しぐれ恋のこゑとは恐ろしき
福岡県 山本 則男
水澄むやひとり歩きの結びの地
岐阜県 川島 靖子
囀の木に口笛で加はりぬ
和歌山県 保田 敏子
読むならば子規飲むならば麦焼酎
愛知県 遠藤 正恵
一身の濁り落として滴れる
山口県 宮野しゆん
蛤塚忌人遠ざかるばかりなる
大分県 為成 央子
肌の色ちがふ友ゐて卒業歌
岐阜県 高田 敏郎
山川の蜻蛉と同じ水を飲む
岐阜県 園部 佳成

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