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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

夏から秋へ 過ぎてゆく日々の中で

 今朝、ボンと鈍い大きな音がしました。「何の音かなあ。花火でもないし……。」と私が言うと主人が外に出て「あっ火事だあ。」と叫びました。外に出ると我が家の東から黒い煙が上がっています。二軒おいて東のお宅から火の手があがっていたのでした。

 風が無かったので、黒煙はまっすぐに空に伸びており煙の中から炎が燃え広がっているようで、時折何かが弾けるような音が聞こえています。

 そのお宅は、私が幼い頃によく遊びに行ったお家でした。当時、洗い張りをしておられたので庭先にはいつも反物が干してあって、その下をくぐって遊んだものでした。長い反物をピンと張るために、両はしに針がついた竹ひごを使って等間隔に止めてあって、乾くと竹ひごを外して反物を取り込むのです。その作業がとても珍しくて、おばさんの片づけを手伝って竹ひごを集めたりしたものでした。もっともおばさんにとっては迷惑だったのでしょうが、嫌な顔ひとつせずに可愛がって下さったものでした。今は息子さんの代になり、もう何十年も訪れたことがありませんでしたが、隣家のベランダに上がらせていただいて消火活動を見守り、遠い昔のことを思い出し、おばさんのことを懐しく哀しく思ったことでした。

 災害は、いつ、どこで起きるか分かりません。コロナウイルスという見えない敵との闘いも収束には程遠く、誰の身にも何が待っているのか予測はつきません。今朝の火災は、幸い類焼もなく、住民の方も無事だったとのことでしたが一人一人が不慮の災害への備えを必要としているのでしょう。

 いつのまにか蝉の声は聞かれなくなり、草々に覆われたわが庭先には秋海棠や秋明菊が咲きはじめました。そう言えば今年は夏水仙の花を見ませんでした。浜木綿も絶えてしまったのかもしれません。自然も少しずつ変化していき、時代は移り変わって行きます。

 人それぞれに積み上げてきたもの、育んできたものに無駄なものはないのだと思って、明日に向かって顔を上げて進んでいきたいですね。「コロナなんかに負けてたまるか!!」ですね。


2021.9.12 発行



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