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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

私は魔女?それとも…?

 一ケ月ほど前の事です。WISCの検査の依頼を受けて、ある保育園に伺いました。年長の男の子と対面して、いざ検査に入ろうと思ったその時、その子は私の顔をじっと見つめてこう言いました。
「ねえ、魔女なの?」
「ううん。妖怪だよ!がんばってやらないとね!」
「うん。」
こんな会話を交わしたのでした。年齢を重ね白髪が目立つようになっている老女が長い髪でいることに対して彼は不思議に思ったのでしょう。でも私はちょっとふざけて「妖怪だよ。」と爪を立てた格好をして見せてしまったのです。でももし私が「そうなのよ。本当は魔女なの。」と応えていたら、彼はどう言ったのだろうかと思い、次のことばを制止してしまったなあと反省しました。
 子どもたちは三歳すぎから少しずつごっこ遊びができるようになっていきます。いわゆる「つもり」ができるようになるのです。そして四歳を過ぎると空想の世界が広がっていくのです。お母さんたちは「うちの子、うそを言うので困ります。どうしたら良いですか。」とご相談されるのですが、決して嘘ではないのです。
 先述の彼は「魔女だったら○○してよ。」と言いたかったのか、何かお願いごとを叶えてほしかったのでしょうか。あるいは、魔女ならやっつけてやろうと思ったのかもしれません。
 いつも「子どもたちのことばを聴いてあげて下さいね。」と言っている私なのに…。今度会ったら聴いてあげたいと思っています。
 今年の夏は暑すぎて外遊びもできなかった子どもたち。新学期は学校へ登校できているでしょうか。皆と同じようにと言われてもできない子ども達だけれどみんな一人ひとり良い所をもっています。でも、もしかしたら私達大人の方が想像力が欠如しているのかもしれませんね。もう秋です。萩が咲きはじめています。


2024.09.09 発行



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