記念誌はA4判30ページ。ハリヨの池広場開園20周年▽大垣市の魚制定10周年▽大垣市制100周年を記念して作成した。保存会の活動と歴史、最近の活動などが記されている。写真もふんだんに使い読みやすくしている。300部製作し西之川町内全戸と関係者らに配った。
ハリヨは氷河期の生きのこりの魚と言われており、小川や湧水帯にすむトゲウオ科イトヨ属の淡水魚。体長約5センチ。1930年代には、滋賀県東部と岐阜県南西部や三重県北部に広く分布していた。しかし、1960年代以降、湧水の枯渇化とそれに伴う水質の悪化、水域の埋め立ての進行などで生息域は減少の一途をたどり、現在では局所的な点的分布となっている。三重県では1960年前後に湧水の枯渇で絶滅した。大垣市北部に位置する西之川町は典型的な田園地帯。かつては民家の庭の一隅に大量の水を噴出する河間があり、その流水を源流にした小川に生息していた。しかし、西之川町も例外ではなく、高度成長期の過程で地下水の枯渇が始まるなど、一時は絶滅の危機もあったが住民たちの熱意で復活させた。
西之川町のハリヨ生息地は、1965年7月に大垣市教育委員会から市の天然記念物、9月には岐阜県教育委員会から県の天然記念物の指定を受けた。そして同年、町民有志により「西之川ハリヨ保存会」が設立され、生息水路の環境整備やハリヨの保護を行ってきた。現在の会員は40〜90代の11人。�繭鵑気鵑�20年前から第2代会長として会を引っ張る。
「ハリヨの池広場」は、大垣市がハリヨの保護と市民の学習の場、憩いの場とするため、1997年度に水路から水を引き込む池を中心に整備した。広場は広さ約950平方メートル。うち池は約240平方メートル。コンクリートなどの使用は抑え、石や樹木を配置してなるべく生態系に影響を与えないように配慮してある。池にはハリヨを守るための防鳥ネットもしてある。
保存会では、池のハリヨの個体数や水温管理などの観測をする一方、毎年5月と10月の全市一斉クリーン活動日に、地元子ども会と共同でハリヨの広場の除草や清掃作業を行うほか、7月末に「ハリンコ祭り」を開催。ザリガニ釣りや金魚すくい、ハリヨの学習会を行っている。さらに、地元の小学校や中学校の要請でハリヨの生態について説明する学習会にも出かけるなど、町ぐるみ、校区ぐるみの保護・保存活動にも力を入れている。
西之川町のハリヨ生息地が大垣市や岐阜県の天然記念物となって以来、保存活動を続けている�繭鵑気鵝�取材に訪れた1月10日朝、透きとおるような池の畔で「ハリヨは3月〜5月に巣をつくる。その巣を壊すから」と前日夕に仕掛けた網を引き上げ、ザリガニなどを捕獲していた。「ハリヨは可愛い。西之川町も都市化が進み、新しい住民も増えている。多くの人にハリヨのことを知ってもらいたい」と熱く語る。
2019.02.01(子林 光和)




