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◆ 平成17年7月度
投句総数 570句
選者 :斉藤 繁子
特選 |
収穫日付けて畑の西瓜かな |
安八郡神戸町 安田 廣子 |
十薬の闇に息づく白さかな |
不破郡垂井町 鈴浦さだ子 |
書を曝すまぎれ込む子の通信簿 |
大垣市 岩間とし子 |
秀逸 |
袋掛け誰と分たぬ遠会釈 |
大垣市 渋川 優子 |
片蔭の易者落付く木椅子かな |
大垣市 中山あや子 |
記すこと多き六月農日誌 |
瑞穂市 広瀬 節子 |
七月やいずこに坐すも水の音 |
稲沢市 渡辺 茂 |
草の香の残れる茅の輪潜りけり |
大垣市 早崎美弥子 |
昂れる小犬宥めて花火かな |
不破郡垂井町 中嶋 笑子 |
夏草へ少年の日の小道消え |
安八郡神戸町 高橋 泰 |
帰省子の話もれなく聞く夕 |
大垣市 杉山よし子 |
でで虫や課外授業の黄帽子 |
大垣市 横幕 武子 |
夏の灯に剣士の急ぐ下駄の音 |
大垣市 久富キヌエ |
入選 |
十薬を軒に吊るして梅雨晴間 |
大垣市 川合 光子 |
炉端焼鮎の口よりしづく垂る |
大垣市 川合 光子 |
お喋りの過ぎて長居の円座かな |
大垣市 伊藤 英司 |
句碑巡る川風涼し城下町 |
大垣市 森川きよ子 |
空よりも広しと思ふ青田かな |
大垣市 浅野 君代 |
梅雨寒やけむる川面の舫ひ舟 |
大垣市 米山 方土 |
紫陽花の空の色より咲き初むる |
大垣市 辻 冨子 |
翡翠の一閃魚を咥えけり |
大垣市 森 芳昭 |
戸田城の銃眼に脱ぐ夏帽子 |
稲沢市 渡辺 茂 |
梅漬けて悔なき日々を美濃に老ゆ |
大垣市 今津 絹代 |
一病を得し息災と紫蘇を揉む |
大垣市 若園 博 |
氏神の夏越の祓ひ風渡る |
大垣市 町野眞佐子 |
桑の実やむかし蚕を飼ひし里 |
養老郡養老町 田中 純一 |
養老も伊吹も隠し梅雨兆す |
養老郡養老町 田中 幸子 |
月光の中にありたり蝉の殻 |
稲沢市 加藤 博 |
鮎釣に手を振り下だる長良川 |
稲沢市 加藤 博 |
風鈴の音色やさしき無人駅 |
安八郡神戸町 高橋日出美 |
ほうたると見紛ふ星の一つかな |
大垣市 高木 治子 |
一陣の風にのうぜん花こぼす |
養老郡養老町 田中 秀子 |
木下闇道標の文字苔むして |
大垣市 佐竹 幸子 |
選者吟 |
夏茱萸を食めばふるさと近くなり |
繁子 |