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十五万市民投句優秀句 作品
◆ 平成17年9月度

投句総数 551句
選者 :高木 万翠
特選
水神を祀る輪中や曼珠沙華
大垣市  村田 通夫
絵手紙の元気とわかる大向日葵
大垣市  高木 治子
自転車を漕ぎゆく径に秋を知る
大垣市  河合 勝子
秀逸
墓参り祖父母は遠き日の中に
不破郡垂井町  児玉 信子
子の遺稿曝して年を重ねけり
瑞穂市  広瀬 節子
落鮎を待つ間も月の太るなり
羽島市  松永 良江
有精卵黄味の色良き秋はじめ
大垣市  今津喜代子
同姓の多きこの村稲穂黄に
養老郡養老町  田中 幸子
秋天を沈めて深き湖心かな
一宮市  小島かな子
金生山の裾を引き裂く稲光り
大垣市  神野 武彦
千年の杉より霧の湧き出づる
大垣市  安田 直隆
一時の憂きこと忘る白芙蓉
養老郡養老町  田中 秀子
伽羅蕗の味かみしめつ母を恋ふ
大垣市  田村 一子
入選
思ひ出の盆提灯も古りにけり
大垣市  小林 こま
朝顔の種選り分けて人を恋ふ
大垣市  秋山くに子
手花火の果つるを待ちて闇せまる
不破郡垂井町  児玉 昌巳
コスモスの色重なりて風に触れ
大垣市  今津 正元
新涼や夫の遺影に茶を捧ぐ
大垣市  清水 暘子
牛乳瓶ふれあふ音や涼新た
瑞穂市  広瀬 節子
大花火果つや不況の商店街
大垣市  横井 明克
雲去りて月光あふる水辺かな
大垣市  今津 正元
俎をま白に晒し涼新た
瑞穂市  柴田  澪
百の揺れ百の静止や秋桜
稲沢市  渡辺  茂
カーテンに射し入る夜半の稲光
安八郡安八町  金森れい子
一刷毛の雲秋空の碧深む
大垣市  幸田 フミ
青色の風通りけり糸瓜棚
大垣市  森  芳昭
草ふかく眠る尺余の冬瓜かな
一宮市  小島かな子
打水のすぐに乾ける石の貌
大垣市  新町 恵子
天辺まで咲きつめたりし胡麻の花
大垣市  川合 光子
子の背丈かくすコスモス通学路
大垣市  小椋 五男
秋出水小さな靴の流れゆく
大垣市  神野 武彦
献灯の如く軒這ひりょう霄花
大垣市  田村 久夫
夕の膳匂いほのかに菊膾
山形県米沢市  木村 正子
選者吟
秋蝉の鳴き果て骸地に還へる
万翠


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