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◆ 平成18年3月度
投句総数 406句
選者 :高木 万翠
| 特選 |
| 地下足袋の鞐を確と耕せる |
| 大垣市 辻 富子 |
| 朱の橋に春の鼓動を感じけり |
| 大垣市 竹内 若子 |
| 春雨に傘の行き交う潦 |
| 大垣市 米山きみ子 |
| 秀逸 |
| 春浅し女つらぬく紅を引く |
| 大垣市 大橋 ふみ |
| 春浅し薄墨色の十九女池 |
| 不破郡垂井町 中嶋 笑子 |
| 梅東風や鯉の影なき句碑の川 |
| 大垣市 川瀬喜梅古 |
| 春愁や一つ灯して足る暮らし |
| 大垣市 千川ちゑ子 |
| 人並の暮らしでよけれ桃の花 |
| 大垣市 棚橋 正恵 |
| 罅著き標に触るる桜の芽 |
| 各務原市 清水 雅子 |
| 彼岸会や供華新しき兵の墓 |
| 養老郡養老町 田中 純一 |
| 遠き日の母の埋火鏝二本 |
| 不破郡垂井町 岩田 妙子 |
| 合併に市となる村や山笑ふ |
| 安八郡神戸町 高橋日出美 |
| さざ波の光りて消ゆる蘆の角 |
| 大垣市 川瀬 貞枝 |
| 入選 |
| 日輪の淡しふっくら牡丹の芽 |
| 大垣市 佐竹 幸子 |
| 漢等の美濃の「じゃ言葉」焚火の輪 |
| 大垣市 柳瀬 庄次 |
| 川風や日差し集めて猫柳 |
| 大垣市 下村 常子 |
| 白雲のガラス戸にゆく浅き春 |
| 不破郡垂井町 岩田 邦雄 |
| 蝋梅の香り旧家の曲り角 |
| 大垣市 竹中輝美子 |
| 母の忌や淡き菫のゆれてをり |
| 大垣市 今津 正元 |
梅寒し万 天を仰ぎけり |
| 揖斐郡大野町 藤田 涼子 |
| 藍刺し子妣の針あと春の泥 |
| 大垣市 秋山くに子 |
| ビロードの木蓮芽出す水門川 |
| 瀬戸市 戸澤 照彦 |
| 啓蟄や田の面に匂ふ土の息 |
| 大垣市 今津 正元 |
| 流れゆくものの影濃く水温む |
| 大垣市 日比 昌子 |
| 春疾風旅のマップを奪ひ去り |
| 大垣市 新町 惠子 |
| 漣のきらめく池に春の鴨 |
| 大垣市 新町 惠子 |
| 薯植ゑて陽に安らげる畝の土 |
| 安八郡神戸町 高橋 泰 |
| 身ふたつになれた喜こび春来たる |
| 大垣市 富田 洋子 |
| 春の川水辺はものの影ふえて |
| 大垣市 矢橋 郁子 |
| 杜の杉伊吹の風に花粉飛ぶ |
| 大垣市 神野 武彦 |
| 枝垂梅御堂静かに書道展 |
| 大垣市 安田 直隆 |
| 窓に射す光柔らか蚕の育つ |
| 安八郡安八町 棚橋嘉代子 |
| 春の雪古りし煉瓦の紅の色 |
| 大垣市 永井田鶴子 |
| 選者吟 |
| 風鐸は師の魂呼べり涅槃西風 |
| 万翠 |


天を仰ぎけり