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◆ 平成18年10月度
投句総数 445句
選者 :田中 青志
特選 |
秋の蠅一つ打つなり週刊誌 |
米沢市 木村 正子 |
四阿の隅の暗がり昼ちちろ |
大垣市 米山 方士 |
我が肩に触れてゆきたる赤とんぼ |
揖斐郡大野町 藤田 涼子 |
秀逸 |
いざよいの鬼が泣き出すかくれんぼ |
不破郡垂井町 鈴浦さだ子 |
稲の香の四方に広がる日和かな |
大垣市 今津 正元 |
心地よき風渡りゆく虫の闇 |
安八郡安八町 棚橋嘉代子 |
朝日今雄雄しく登る稲の花 |
大垣市 末守 節子 |
小鳥来る町にあまたの投句箱 |
岡崎市 反町 和子 |
音のせぬやうに戸を閉め虫の夜 |
大垣市 大橋庄一郎 |
月さして光の中のいらかかな |
大垣市 久富キヌエ |
教室へ金木犀の風香る |
大垣市 小椋 五男 |
水澄めり川にあぎとふ鯉あまた |
大垣市 坪井 淳 |
朝市や菊の香りの中にゐて |
大垣市 中井 君子 |
入選 |
曼珠沙華輪中の畦を赤く染め |
大垣市 坪井 克枝 |
野佛のはなやぎてをり草の花 |
可児市 芳賀加津美 |
天守より望む伊吹や秋高し |
養老郡養老町 田中 純一 |
水澄めり翁発ちたる川湊 |
養老郡養老町 田中 純一 |
夜の秋話し上手に聞き上手 |
大垣市 佐藤 颯次 |
ポケットの木の実ならして子の帰る |
大垣市 安田はる子 |
穂芒の白の眩しき無人駅 |
大垣市 森 芳昭 |
喫茶店花瓶の芒ゆれてをり |
大垣市 野田 芳子 |
蝉落ちし声してをりぬ地蔵堂 |
大垣市 大橋 ふみ |
落ちそうで落ちない芋の露あそぶ |
大垣市 秋山くに子 |
逆立の尻美しき鬼やんま |
大垣市 若園 博 |
秋日傘たたんで入る美術館 |
大垣市 伊藤さとゑ |
水郷の風に揺れをり秋桜 |
大垣市 川瀬 貞枝 |
運動会二人の孫は赤と白 |
大垣市 永井田鶴子 |
水音の秋確かなり結びの地 |
大垣市 町野眞佐子 |
捕らわれしバッタの荒き腹呼吸 |
大垣市 名和よちゑ |
紅葉にはまだまのありてむすびの地 |
可児市 多賀 栄一 |
木の枝にラジオ鳴らして松手入れ |
安八郡神戸町 高橋日出美 |
秋彼岸名前出て来ぬ友と会ふ |
大垣市 安田 直隆 |
鰯雲岸辺に揺れる貸しボート |
秦野市 松野 和子 |
選者吟 |
勢ひて行方知れずや木の実独楽 |
青 志 |