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十六万市民投句 作品
◆ 平成18年12月度

投句総数 439句
選者 :高木 万翠
特選
虚子俳話ひと休みして薬喰
愛知県尾張旭市  古賀勇理央
黄に染まる柚子鈴生りの一軒家
大垣市  川口千代子
大根を漬けて輪中に暮らしけり
大垣市  村田 通夫
秀逸
ひび割れし秋茄子暮色とどめをり
大垣市  大橋 ふみ
柿紅葉日毎彩増す村に住み
大垣市  幸田 フミ
落葉して稜線の透く空の青
安八郡安八町  金森れい子
杉玉や下戸もあやかる新走り
瑞穂市  青木 繁弘
一合の酒に足りたる薬喰
大垣市  若園  博
紅葉照るさざ波眩し水嶺湖
大垣市  菅野美代子
しぐるるや翁別れの連句塚
大阪府高槻市  古川しげ子
短日を時計の塔にせかれけり
大垣市  竹内 若子
紅葉山雲の動きて彩かはる
岐阜市  日比野宗男
初しぐれ遺墨の一句にある孤独
養老郡養老町  田中 秀子
入選
揖斐川に幾筋も水尾鴫来る
大垣市  森  芳昭
絵手紙の中で遊ぶや柿落葉
揖斐郡大野町  藤田 涼子
落日に染まる伊吹や鳥渡る
大垣市  今津 正元
苫船の黙して眠る十二月
愛知県稲沢市  渡辺  茂
灯台の風鐸さゆれ冬日和
大阪府豊中市  西村しげ子
居酒屋に男ひとりの寒さかな
瑞穂市  広瀬 節子
幸運の矢射る乙女大晦日
大垣市  秋山くに子
極月や和綴じの帳簿紙問屋
大垣市  森川きよ子
棚雲の伊吹遥かに大根引
大垣市  若園  博
枇杷咲いて香り仄かや一里塚
大垣市  神野 武彦
唄いつつどんぐり拾う夜詩の里
大垣市  石田 和子
銀杏の不動の大樹寺の門
大垣市  後藤智津子
皓皓と冬満月やビルはざま
大垣市  坪井  淳
宅配便開くや動く蟹の足
大垣市  早崎美弥子
山眠る円空の墓ひっそりと
大垣市  神保 一見
秋深し静かな寺に座りけり
大垣市  脇中みち子
戦場の跡や垂井はしぐれけり
加茂郡白川町  今井二三夫
湖小春日矢を絡めて波立てる
大垣市  河合 愛子
蕉像のわらじ乾かぬ小夜時雨
大垣市  田村 一子
蒼天に冬三ヶ月の白さかな
大垣市  千川ちゑ子
選者吟
凍蝶は朝のひかりに蘇る
万翠


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