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十六万市民投句 作品
◆ 平成19年1月度

投句総数 492句
選者 :田中 青志
特選
初雪や小石の一つ一つにも
大垣市  佐竹 幸子
大輪も懸崖も枯れ焚かれたる
大垣市  高尾田鶴子
注連飾る机一つの駐在所
大垣市  伊藤 京子
秀逸
煤逃げの漢立読む週刊誌
大垣市  森川きよ子
天守閣東西南北虎落笛
大垣市  二村かず枝
たしかめるテレビ番組三ケ日
大垣市  藤井 正勝
焚火の輪とびこんでくる訃報かな
岡山県赤磐市  繁定  操
チャンネルを変へても寒波来ると言ふ
大垣市  末守 節子
行く年とすれ違ひけり橋の上
大垣市  大橋 ふみ
高層を越へて我が家の初明り
大垣市  久富キヌエ
どっと来てあっと言ふ間のお正月
大垣市  森 智津子
着ぶくれを憚りバスに隣り合ふ
大垣市  清水登美子
つむじ風落葉寄せたり散らしたり
大垣市  田村 一子
入選
電飾の明りをまとひ枯木立
大垣市  米山 方士
熊よけの鈴つけてをりランドセル
大垣市  豊永 勝郎
元朝や巫女振る鈴のよくひびき
不破郡垂井町  中嶋 笑子
七草の一つが小さき蕾もつ
不破郡垂井町  鈴浦さだ子
煤払ひはつぴの腰の命綱
各務原市  清水 雅子
あれこれと成すこと多し年惜む
大垣市  高橋 智静
年用意ふくふく煮立つ豆の鍋
愛知県稲沢市  加藤  博
師走かな釘一本を打つひびき
大垣市  大橋 ふみ
軒下に静かに降りる初雀
大垣市  森  芳昭
黒塗りの川燈台や冬桜
埼玉県熊谷市  林  靖子
建て替えの城の話や大旦
大垣市  米山 方士
蛤の小さな口へ初投句
大垣市  米山 方士
水とくとく時無き噴井年惜しむ
静岡県藤枝市  間島  章
抜け道の帰りは不気味枇杷の花
大垣市  鶴田 信子
散る木の葉老いねばならぬ条理かな
大垣市  鶴田 信子
主峰まづ茜をおびて初山河
大垣市  神野 武彦
青空に竿売りの声五日かな
大垣市  高木 治子
城囲むイルミネーション十二月
大垣市  子安美知子
大手門跡の山茶花散りにけり
大垣市  羽賀 文一
見えぬとも背筋を伸ばし初電話
大垣市  大橋庄一郎
選者吟
ほつと日の差して朝寒和らげる
青 志


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