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◆ 平成19年2月度
投句総数 398句
選者 :河西 かつら
特選 |
春光や歩み出すかに翁像 |
奈良県生駒市 成戸 俊介 |
逆上り出来し鉄棒蕗の薹 |
不破郡垂井町 児玉 昌巳 |
戯れに母と拾いし年の豆 |
三重県鈴鹿市 仲見 孝 |
秀逸 |
鳶上げて残雪伊吹せり上がる |
静岡県藤枝市 間島あきら |
伊吹嶺へ声を絞りて寒ざらひ |
大垣市 田村 一子 |
冬ざれの川ゆっくりと鯉の影 |
大垣市 竹中輝美子 |
灯ともりて体育館の寒稽古 |
愛知県稲沢市 加藤 博 |
本堂の開け放たれて春立つ日 |
大垣市 米山きみ子 |
カーテンの明るき目覚め春隣り |
大垣市 若園 博 |
母と子のシーソー遊び風光る |
大垣市 若園 博 |
廃校に残る碑文や冬の蜂 |
大垣市 横井 明克 |
霜解けの畑の足跡大きかり |
大垣市 春日井勝代 |
白菜の括られしまま茎立てり |
養老郡養老町 上村 砂子 |
入選 |
菊師来て菊人形に語りかく |
大垣市 島岡 嘉明 |
残雪の伊吹を仰ぐむすびの地 |
三重県津市 前川千可子 |
東風ふいて泉水の池動き出す |
大垣市 浅野 君代 |
誰よりも柏手高く受験の子 |
大垣市 末守 節子 |
くれなゐに膨んでゐる冬木の芽 |
大垣市 森 芳昭 |
雑踏の夫の目じるし冬帽子 |
大垣市 伊藤 京子 |
満目に日矢溢れしめ春立ちぬ |
大垣市 小椋 五男 |
蕉翁の座像小柄や冬館 |
大垣市 村田 通夫 |
十粒ほど母に供える年の豆 |
不破郡垂井町 中嶋 笑子 |
天平の礎石に触れて草青む |
安八郡神戸町 高橋日出美 |
日脚伸ぶ水面に鯉の泡ひとつ |
大垣市 中井 君子 |
春近し伊吹離るるちぎれ雲 |
大垣市 若園 博 |
寒梅の緋の色秘めて固かりき |
奈良県生駒市 成戸 愛子 |
高杯に色あはあはと雛あられ |
奈良県生駒市 成戸 愛子 |
畳まれし想ひ解くごと蕗の薹 |
大垣市 高木 治子 |
若菜摘む幼子の手のやはらかき |
大垣市 富田 洋子 |
晩学の句を持ち寄りて初句会 |
大垣市 名和よちゑ |
芽とわかるほどに青みし柳かな |
大垣市 安田 恒子 |
菜を刻む俎始となりにけり |
不破郡垂井町 岩田 妙子 |
近道も迂回の道も梅真白 |
神奈川県秦野市 松野 和子 |
選者吟 |
冬ざれの野に発掘の箆光る |
かつら |