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十六万市民投句 作品
◆ 平成19年10月度

投句総数 559句
選者 :西 連山
特選
香を放つ柚子が押える置き手紙
大垣市  田村 一子
自分史に俳句も添へて秋灯し
不破郡垂井町  臼井 梅乃
千本の色変えぬ松背割堤
大垣市  田村 久夫
秀逸
小鳥来る日ごと童女にもどる母
神奈川県横浜市  右田 俊郎
子規まつる心に俳書繙けり
瑞穂市  柴田  澪
落栗に弾める声や憶良の子
安八郡神戸町  高橋  泰
皿の上秋刀魚焼上ぐ音移す
大垣市  稲川なみ子
秋の風看護婦さんのイヤリング
大垣市  米山みつ子
ヘリコプター山もりにするかき氷
大垣市  西田 結(小五)
捨てがたき書架の句集や文化の日
大垣市  高木 治子
粗相してあやまる夫に虫の啼く
大垣市  今津喜代子
木の実降る稲荷へつづく鳥居百
不破郡垂井町  中嶋 笑子
稲刈機吐きし新藁匂ひけり
大垣市  永井田鶴子
入選
水泳のぼくとなかよしアメンボウ
大垣市  川せたくや(小三)
ネックレス付けたこと無し草珊瑚
不破郡垂井町  臼井 梅乃
一合の米磨ぎにけり秋の雲
大垣市  鶴田 信子
ちちろ鳴く声を背にして辞書をひく
不破郡垂井町  鈴浦さだ子
蛤の句碑をなぞりて秋惜しむ
愛知県稲沢市  渡辺  茂
いちじくを割る紫の香りかな
大垣市  藤井美奈子
一人居の翁月見の芋洗ふ
瑞穂市  広瀬 そう
らくがきの塀の光陰小鳥来る
羽島市  松永 良江
女郎花みんな隠れてゐなくなり
安八郡神戸町  木幡 美幸
秋の声聞いてゐるかに義民の碑
大垣市  安田 敏子
芭蕉翁繰り出す城下秋まつり
安八郡神戸町  高橋日出美
雁鳴くや美濃国分寺跡昏るる
安八郡神戸町  高橋  泰
湧水の飛沫浴びたる秋海棠
埼玉県熊谷市  林  靖子
古代米黒き稲穂に力満つ
養老郡養老町  上村 砂子
名月を賞で合ふ遠距離電話かな
大垣市  下村 常子
丹精の父より届く栗光る
大垣市  喜田  守
刈り頃の稲穂を鳴らす風の声
大垣市  早崎美弥子
秋の里干し大根に美脚あり
大垣市  清水 富男
ちょうちょうがまわりをとぶよちくセンター
大垣市  説田 紘子(小二)
初秋のクレーン静かにビルを組む
大垣市  今津 絹代
選者吟
大服の茶の泡立にある小春
連山


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