HOME > 十六万市民投句 入選作品 > 平成20年2月度
十六万市民投句 作品
◆ 平成20年2月度

投句総数 526句
選者 :西 連山
特選
凍雲のきのふのままに明けにけり
大垣市  伊藤  新
親に名を忘れられたる小正月
大垣市  林田 好子
瞑想の五百羅漢に春の雪
三重県伊勢市  茂谷  孝
秀逸
癌の芽は私のものよ蕗のとう
愛知県名古屋市  北沢多実子
老いて子に従ごうてをり雪を掻く
東京都世田谷区  関戸 信治
寒梅の風止みしとき匂ひけり
大垣市  和田千鶴子
虎落笛受験児情緒不安定
大垣市  加古川幸江
不用意に来て寒風にさらされる
大垣市  島岡 嘉明
三毛猫のずっしり重し冬ごもり
大垣市  森  芳昭
千の絵馬にわかに騒ぐ春はやて
大垣市  田村 一子
聞き流すことにも慣れて日向ぼこ
大垣市  辻  富子
恋の歌よんでかるたを取る傘寿
不破郡垂井町  岩田 妙子
寒蜆ふれ合ふ音を掬ひけり
埼玉県熊谷市  林  靖子
入選
呼び合うて向きを変へけり小白鳥
安八郡神戸町  安田 廣子
虎落笛樹々それぞれの形持ち
大垣市  大西 誠一
後朝の別れや月のしぐるまま
大垣市  三宅ヒサエ
シャッター通り開かぬままや春立ちぬ
大垣市  久富キヌエ
春動く行く手を阻む道普請
大垣市  若園  博
談笑のベルマーク整理春立ちぬ
大垣市  小林 こま
恙無し朝餉に二つ寒卵
不破郡垂井町  久保田紘義
憂き事も捨てて豆打ちゃ春立ちぬ
大垣市  中井 君子
悴みし手のままならぬ朝市女
大垣市  矢橋 郁子
初雪でくたびれるまで遊んだよ
大垣市  長竹 香麟(小五)
はだか木となりて水嶺湖を浮かす
大垣市  長屋 頴紀
冬ざれの一夜城に千の風
大垣市  村田 通夫
侘助や濁世はなれた尼の寺
大垣市  加古川幸江
積ん読の史書のほこりや日脚伸ぶ
大垣市  田村 久夫
ねんねこへ唄ふ媼の「通りゃんせ」 
安八郡神戸町  木幡 美幸
凍月の走りて雲をふり向かず
大垣市  田村 一子
切干の乾きゆく土間匂ひけり
大垣市  子安 浪子
鴛鴦を探し当てたり遠眼鏡
大垣市  川瀬 貞枝
合格と言い切る絵馬や宮の春
大垣市  森 智津子
点描の鳰みて過ぐるローカル線
大垣市  新町 恵子
選者吟
顔の向き乱して目刺売れ残る
連山


↑ページトップへ