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◆ 平成20年3月度
投句総数 448句
選者 :田中 青志
特選 |
蘖る父と子の声ききちがふ |
大垣市 秋山くに子 |
ふたヽびは無き人生よ返り花 |
大垣市 高橋 智静 |
晩年の道はひとすじ梅白し |
愛知県尾張旭市 古賀勇理央 |
秀逸 |
薪くべる着地果さぬ春の雪 |
揖斐郡池田町 五十川直靖 |
新聞の折込み今朝も春の旅 |
大垣市 竹中輝美子 |
芽吹き初むむすびの地にも京なまり |
大垣市 米山 方士 |
流水の光中まで春の川 |
大垣市 北村 敏子 |
梅東風や纜しかと舫ひ舟 |
大垣市 森川きよ子 |
待春や土間に並びし子等の靴 |
大垣市 鶴田 信子 |
たっぷりと光集めて福寿草 |
大垣市 大橋 ふみ |
烈風にうなじを伸し鴨帰る |
大垣市 森 芳昭 |
湧水の流れに添ひて水草生ふ |
大垣市 村田 通夫 |
乗客のみんな見てゐる雪景色 |
大垣市 末守 節子 |
入選 |
天守閣どの窓からも春の嶺 |
大垣市 今津 正元 |
人声の汀に鴨の日和かな |
大垣市 中山あや子 |
老犬ねむる梅の香に癒されて |
大垣市 多和田一徳 |
川燈台ともれる窓を春の雪 |
安八郡神戸町 高橋日出美 |
骨折の痛み和らぐ梅の花 |
大垣市 野田 芳子 |
まだ白き伊吹仰ぎて畑を打つ |
大垣市 今堀 典子 |
音と言ふ残らざるもの芽吹き初む |
大垣市 矢橋 郁子 |
春来ると屋根を雀の歩く音 |
大垣市 吉川つや子 |
長旅をいとも手ぶらで鳥帰る |
大垣市 佐藤 颯次 |
車椅子笑顔をのせて梅の園 |
大垣市 高木 治子 |
芽柳や川燈台の窓四角 |
愛知県岡崎市 三浦 葵水 |
母訪えば小さき影の春障子 |
大垣市 神保 一見 |
枝先に日差しのありし初桜 |
大垣市 安田 敏子 |
露の世にもうすこし居たい日向ぼこ |
大垣市 小寺はる子 |
着ぶくれて少し足りない帯の丈 |
大垣市 竹中 孝子 |
高らかに木管楽器春立てり |
大垣市 子安美知子 |
日の匂ひ土の匂ひや梅八分 |
大垣市 下村 常子 |
接写する梅の花芯震えをり |
大垣市 春日井勝代 |
老白梅咲き初む生気得たりけり |
大垣市 春日井 博 |
亀鳴くや俺が七十なんて嘘 |
愛知県豊田市 伊藤 泰孝 |
選者吟 |
漲れる力が幹に花咲かす |
青志 |