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◆ 平成20年8月度
投句総数 560句
選者 :木 万翠
特選 |
風そよと棚田一枚づつの秋 |
養老郡養老町 田中 秀子 |
鬢の汗白きうなじや作陶女 |
大垣市 清水 富男 |
万緑に鎮めて朱き南宮社 |
不破郡垂井町 児玉 昌巳 |
秀逸 |
一匹の揚羽乗り合ふ樽見線 |
大垣市 大西 誠一 |
茄子を食ぶ幼な日叱った父のこと |
大垣市 長谷川かづ子 |
西瓜切る地球儀の極結ぶよに |
愛知県稲沢市 渡辺 茂 |
水一字土蔵を守る稲の花 |
三重県伊勢市 茂谷 孝 |
夏休み米をとぐことおぼえけり |
大垣市 加藤諒真(小三) |
相乗りでお越し下さい茄子の馬 |
大垣市 田村 久夫 |
こぼれ種大ひまわりが庭の主 |
大垣市 中井ひとみ |
蝉鳴いて厨の油はじけ飛ぶ |
大垣市 林田 好子 |
夏旺ん大きな声の若き女医 |
大垣市 子安美知子 |
村と村つなぐ水音稲育つ |
大垣市 日比野友子 |
入選 |
軒に見る伊吹を囲む蜘蛛の糸 |
不破郡垂井町 児玉 信子 |
捩花や姉とはちがふ道を来て |
大垣市 竹中 孝子 |
大花火消えて小花火生れけり |
大垣市 竹内 若子 |
遺跡掘りしばしテントの昼寝かな |
大垣市 伊藤 京子 |
遺されし夢一文字の扇子かな |
大垣市 高橋 郁子 |
わらんべの声の減りたる地蔵盆 |
大垣市 森川きよ子 |
草虱つけて秘密の子等の基地 |
大垣市 中山あや子 |
人影のなくて尼寺蝉しぐれ |
不破郡垂井町 鈴浦さだ子 |
新涼や窓開け放つ裏鬼門 |
大垣市 川瀬喜梅古 |
流れゆく雲も景色や古都の秋 |
羽島市 松永 良江 |
研ぎ減りの草刈鎌の捨てきれず |
不破郡垂井町 多和田敦子 |
ためらわず乙女髪切る極暑かな |
大垣市 高木 治子 |
御点前を照らす月あり色紙窓 |
揖斐郡池田町 五十川直靖 |
赤とんぼ飛び交ふ里の夕日影 |
大垣市 松岡 正 |
石庭に独り佇む月の客 |
大垣市 田村 一子 |
鬼灯の包つぎ次ぎと点りけり |
大垣市 田村 久夫 |
「おはよう」と異国の少女鳳仙花 |
大垣市 小林 こま |
かけ慣れぬ酢に咳き込んで心太 |
大垣市 名和よちゑ |
伊吹嶺に雲沸き立てり夏薊 |
大垣市 平野 純子 |
背に水を負ひきて木地師墓洗ふ |
兵庫県神戸市 蔵田 博 |
選者吟 |
影踏みに一人は鬼となる月夜 |
万翠 |