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◆ 平成20年11月度
投句総数 610句
選者 :伊藤 百雲
特選 |
神無月一村軽くなりにけり |
千葉県我孫子市 松村 君代 |
愛用の帽子案山子に譲りけり |
大垣市 末守 節子 |
長き夜や季語検索の電子辞書 |
大垣市 藤井 正勝 |
秀逸 |
俳諧の旅にたまはる秋日和 |
各務原市 神戸真砂子 |
引き絞る矢のはなたれず菊人形 |
不破郡垂井町 臼井 梅乃 |
着メロの流るる芝生小六月 |
大垣市 高木 豊子 |
風に香を託して菊の果てにけり |
揖斐郡池田町 幸田 フミ |
秋寒や紅殻古りし廓あと |
養老郡養老町 田中 英香 |
田仕舞の母を迎へにわらべ歌 |
大垣市 田村 一子 |
秋の雨眠れぬ夜の子守唄 |
揖斐郡大野町 藤田 涼子 |
虫しぐれ枕に耳を貸しにけり |
大垣市 小寺はる子 |
首塚を砦としたり残る虫 |
大垣市 村田 通夫 |
オペラ見る折りしも今日は文化の日 |
大垣市 町野眞佐子 |
入選 |
からくりのでんぐり返り薄紅葉 |
各務原市 清水 雅子 |
紡ひ舟揺れるともなく秋うらら |
養老郡養老町 重金 英男 |
パン屋よりパンの匂ひや天高し |
大垣市 藤井美奈子 |
無造作に秋草活けて無人駅 |
安八郡神戸町 高橋日出美 |
文芸を嗜むゆとり文化の日 |
三重県伊勢市 茂谷 孝 |
鳩時計夜長の時を知らせける |
大垣市 長谷川かづ子 |
広びろと刈田となりし美濃路かな |
大垣市 川口 静子 |
一艘の川船に秋惜しみけり |
長野県松本市 一志貴美子 |
秋空に響く太鼓や雲流る |
大垣市 野田 芳子 |
塩加減となり自慢の栗ごはん |
不破郡垂井町 岩田 邦雄 |
枯れ切って睨む蟷螂の立ち往生 |
大垣市 三宅ヒサエ |
刈入れの済みたる美濃に風渡る |
大垣市 千川ちゑ子 |
富有柿を愛でて生涯美濃住ひ |
大垣市 杉山ちかこ |
秋耕のうねり大きく鋤かれけり |
大垣市 春日井勝代 |
西美濃の要の城やいわし雲 |
滋賀県大津市 千川 修一 |
小春日や城公園に将棋指す |
大阪府門真市 左海 和子 |
母の忌のまだ誰もゐぬ冬座敷 |
愛知県豊田市 伊藤 泰孝 |
靴の泥草で拭ひし冬隣 |
神奈川県川崎市 北島 和弘 |
コスモスや沖を見ている石の鳥 |
千葉県千葉市 小川 孝 |
句流しの舟の一ト揺れ秋日和 |
愛知県岡崎市 大沢美代次 |
選者吟 |
茶の花の一花開きぬ寺の寂 |
百雲 |