HOME > 十六万市民投句 入選作品 > 平成21年3月度

◆ 平成21年3月度
投句総数 602句
選者 :河西 かつら
特選 |
橋の影抜けて膨るる春の水 |
安八郡神戸町 高橋 泰 |
狭庭より春待つ鳥語降りしきる |
大垣市 鶴田 信子 |
御法話の末席に居て春の風邪 |
大垣市 庵 信子 |
秀逸 |
菱餅の謂さらりと説かれけり |
愛知県尾張旭市 古賀勇理央 |
水音は春の鼓動か渡し跡 |
大垣市 森川きよ子 |
木の芽風茶畑を丸く撫でゆけり |
大垣市 田村 久夫 |
竹幹の触れ合ふ音や春疾風 |
大垣市 森 芳昭 |
校門に深く一礼卒業子 |
安八郡神戸町 高橋日出美 |
養生の藁びっしりと梅盛る |
三重県伊勢市 茂谷 孝 |
針穴へ糸もどかしき余寒かな |
埼玉県熊谷市 林 靖子 |
親みこし子みこしどんど竹爆ぜる |
大垣市 小川 啓子 |
野火走り風の形となりにけり |
大垣市 船橋 晴俊 |
お隣りのピアノ上達春の午後 |
大垣市 名和よちゑ |
入選 |
ふらここや母が背を押す日を蹴りて |
大垣市 尾関 逸子 |
木々芽ぐむ洗ひざらしのやうな空 |
不破郡垂井町 竹並 朋喜 |
つくしんぼ今日はどれだけのびたかな |
大垣市 木佑梨(小六) |
菜の花や目が合えば笑む背の赤子 |
愛知県稲沢市 渡辺 茂 |
水舟に溢るる光り寒明くる |
大垣市 宮川 敏夫 |
囀れリ三尺下って弟子の像 |
三重県四日市市 吉田きみ子 |
下校の児覗いては行く春の川 |
大垣市 町野眞佐子 |
摘む積りなくてついつい土筆摘む |
大垣市 大橋庄一郎 |
手に残る土筆の匂ひ野の匂ひ |
大垣市 加藤 好子 |
東風吹けば絵馬垣鳴らす大社 |
不破郡垂井町 児玉 信子 |
古稀といふゆっくり早き年送る |
大垣市 鶴田 信子 |
遺跡堀る人の無口や息白し |
大垣市 北村 敏子 |
いぶき山すごく真っ白おしろみたい |
大垣市 さとういくま(小一) |
帰えり来し祖母に土筆の匂ひあり |
大垣市 横井 明克 |
丹精のあと盆梅のそれぞれに |
大垣市 日比野友子 |
農小屋を開けて春風通しけり |
大垣市 辻 富子 |
文字に絵に人和らぎて梅の寺 |
大垣市 久富キヌエ |
初孫の寝返りに沸く木の芽晴れ |
埼玉県南埼玉郡 高畑 チセ |
川底に起伏のあるや蜷の道 |
愛知県名古屋市 稲垣 徹弘 |
廃校の錆しシーソー下萌ゆる |
神奈川県秦野市 松野 和子 |
選者吟 |
左義長の石打つ火より始まれり |
かつら |