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◆ 平成21年10月度
投句総数 607句
選者 :西 連山
特選 |
長き夜やワイングラスの細き脚 |
埼玉県越谷市 佐久間 明 |
崩れれば海へ還るか鰯雲 |
愛知県豊田市 伊藤 泰孝 |
産ぶ声は世継の男秋桜 |
不破郡垂井町 児玉 昌巳 |
秀逸 |
秋澄むや十万石の城下町 |
大阪府大東市 佐々木郁子 |
居酒屋の常連欠けし秋しぐれ |
埼玉県さいたま市 長野 操 |
孫曾孫祖母曾母の七五三 |
大垣市 三宅ヒサエ |
老犬の反身の欠伸秋うらら |
北海道小樽市 大橋 宮子 |
蟷螂の斧も脅威の寡婦暮らし |
兵庫県伊丹市 山地美智子 |
とっくりに紫式部おきひしゃく |
大垣市 鈴木美江子 |
長き夜や碁敵偲び詰碁解く |
大垣市 神野 武彦 |
朝市やしの字くの字の唐辛子 |
大垣市 藤井 早苗 |
小鳥来る一人ぼっちの投句箱 |
大垣市 川瀬喜梅古 |
軒提灯掛けし一人居里祭 |
不破郡垂井町 西垣 和志 |
入選 |
駅跨ぐ橋の架かりて秋高し |
大垣市 喜田 守 |
それぞれの渡世の顔に敬老日 |
揖斐郡池田町 幸田 フミ |
自販機の銭落つる音天高し |
大垣市 藤井美奈子 |
赤とんぼみんな隠れてしまひけり |
大垣市 田村 一子 |
わが子にはここが故郷鳥渡る |
兵庫県伊丹市 山地美智子 |
近道をしたばっかりに草虱 |
安八郡神戸町 小幡 美幸 |
義父の名の恵み重たき籾袋 |
愛知県岡崎市 鈴木 正紘 |
秋晴れでやねがかがやく一夜城 |
大垣市 森本衣美(中一) |
子をひとり忘れてきたる大花野 |
東京都小平市 水田 昌 |
水蹴りて雲を払ひしあめんぼう |
大垣市 大西 誠一 |
草の実の触るればこぼる車椅子 |
愛知県稲沢市 渡辺 茂 |
すいかきるおおきいほうがぼくのもの |
大垣市 さとうまなと(小一) |
新米のゆたかなる湯気仏前に |
養老郡養老町 上村 砂子 |
秋桜野良の二人の昼餉時 |
大垣市 大井 公夫 |
さとうきび刈り終へ星の舞ひ落ちぬ |
愛媛県松山市 金子真由美 |
ほしがきはオレンジ色のカーテンだ |
大垣市 安田ともみ |
農継ぐと決めし若者豊の秋 |
大垣市 川瀬 幸子 |
秋うららあし湯に白き膝小僧 |
大垣市 清水 富男 |
秋の暮れ子守の唄は親ゆずり |
不破郡垂井町 多和田敦子 |
一鳴きし一寸間をおく昼の虫 |
大垣市 鶴田 信子 |
選者吟 |
鰯雲小旗なりとも挙げて行け |
連山 |