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十六万市民投句 作品
◆ 平成21年11月度

投句総数 647句
選者 :大堀 武直
特選
浮寝鳥水輪広げて目覚めけり
大垣市  高木 豊子
松手入れ居合五段の好々爺
大垣市  町野眞佐子
絶えまなく光こぼしぬ芋水車
養老郡養老町  田中 英香
秀逸
野の花を一輪さして秋惜しむ
大垣市  佐藤すみ子
木の実落つ橋の袂の投句箱
不破郡垂井町  廣岡ともゑ
纜の影にも深みゆく秋ぞ
羽島市  日比  進
檜の香漂ふ枡屋秋深む
愛知県蒲郡市  岩崎 喜子
千歳飴十まで数へ褒められる
不破郡垂井町  服部 真六
秋鯖に出刃しんしんと研ぎあげぬ
大垣市  藤井 正勝
有り難ふ言はれて寒さ和らげり
大垣市  早崎美弥子
あの世から使者のまだ来ぬ十三夜
大垣市  宮川 敏夫
十三夜入れて一人の灯を消しぬ
養老郡養老町  宮沢志貴婦
枝豆の茹でし緑を味わえり
愛知県岡崎市  鈴木 正紘
入選
吊るし売るブリキの湯湯婆城下町
愛知県蒲郡市  内田 陽子
秋惜しむ遠嶺に消ゆる鳥の群
大垣市  今津 正元
句碑の辺に忘れし絵筆秋暮るる
各務原市  清水 雅子
ダムとなる峽とは知らず群れ秋津
羽島市  松永 良江
青春にタイムスリップ温め酒
大垣市  新町 恵子
澄む水に沿ひて芭蕉の句碑めぐる
兵庫県西脇市  山尾 克代
用水路涸れて一村冬に入る
大垣市  村田 桃村
ゆで栗のまだあたたかき見舞かな
大垣市  吉川つや子
一つもぎ更に大きな林檎も
大垣市  森  芳昭
狛犬になりすます猫神の留守
大垣市  高木 治子
枯葉散る音の彼方の観世音
大垣市  今津 正元
鯉の背へ松葉降らせし松手入
大垣市  大橋庄一郎
鴨すでに近江の湖の波の間に
大垣市  槌谷 了子
風紋の走る池の端初ごほり
大垣市  田村 久夫
臥す吾に見せに立ち寄る七五三
大垣市  春日井 博
どんぐりのぼうしの色で型ちがう
大垣市  尾藤百音(小三)
いわし雲ずっと見てるとくずれてく
大垣市  小山美波(小三)
祖父の服着せて案山子に番させる
安八郡安八町  梶田 春夫
筆先に冬の寒さの忍び入り
福岡県田川郡添田町  成松 義紀
おはようの言葉が白き息となり
福岡県田川郡添田町  成松 義紀
選者吟
飛び込めば溺れさうなり鰯雲
武直


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