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◆ 平成21年12月度
投句総数 610句
選者 :長野 美代子
特選 |
にぎられて真鰯海の色残す |
揖斐郡大野町 藤田 涼子 |
咲き満つるほどにさみしき冬桜 |
各務原市 清水 雅子 |
冬に入るベンチ日向へずらしあり |
大垣市 辻 富子 |
秀逸 |
吹き溜まる落葉の嵩や道祖神 |
大垣市 坪井 克枝 |
枯れ蓮やすぐそこといふ田舎道 |
愛知県愛西市 坂元 二男 |
ねこじゃらしもさもさとしてほほの風 |
大垣市 日比晴香(小四) |
洗ひ場の流れに浮ぶ冬菜屑 |
大阪府大東市 佐々木郁子 |
日翳りも日向も石蕗の花あかり |
養老郡養老町 田中 英香 |
枯木立時々雲のひっかかり |
大垣市 永井田鶴子 |
家康の威厳を正す女菊師 |
大垣市 横井 明克 |
ぽってりとして鯛焼の餡子腹 |
大垣市 三宅ヒサエ |
枝すべて震わせながら散る紅葉 |
大垣市 島岡 嘉明 |
屈みぐせつきたる母の木の葉髪 |
不破郡垂井町 多和田敦子 |
入選 |
奥の院是より二粁冬ざるる |
大垣市 佐藤すみ子 |
ほのかなる残り香纏ひ菊を刈る |
大垣市 竹中輝美子 |
いが栗の中に三つ子が光ってる |
大垣市 小山美波(小三) |
せせらぎの音のみ深き紅葉谷 |
安八郡神戸町 安田 廣子 |
いちょうの葉風にゆれると金の波 |
大垣市 平井蓮也(小五) |
葉が落ちて一面そまるいちょう色 |
大垣市 山田直哉(小五) |
あきのそらいろんないろがおちてくる |
大垣市 くぜなつき(小三) |
鬼の子が小枝かさねて籠りけり |
大垣市 藤井 正勝 |
どの声も耳を素通り蓮根掘る |
愛知県愛西市 坂元 二男 |
堀渡る風にもみづるむすびの地 |
東京都稲城市 児玉真知子 |
たっぷりと日の載る銀杏落葉掻く |
安八郡神戸町 高橋 泰 |
防獣の網張り直し事納 |
不破郡垂井町 久保田紘義 |
秋天の雲ゆっくりと尾を伸ばす |
揖斐郡大野町 藤田 涼子 |
名のあるも無きも秋草種付けて |
大垣市 棚橋みさを |
茶柱を弄びをり小春の日 |
大垣市 清水 富男 |
川添いの古き町並石蕗日和 |
大垣市 今津 絹代 |
紺碧の空にあかあか木守柿 |
大垣市 千川ちゑ子 |
枯菊の脆さ軽さを抱へけり |
大垣市 町野眞佐子 |
花の色すこし残して茄子枯るる |
大垣市 日比野友子 |
大社鳥の声のみ神の留守 |
大垣市 北村 敏子 |
選者吟 |
障子一尺日がさして庭雀 |
美代子 |