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◆ 平成22年5月度
投句総数 733句
選者 :柴田 由乃
特選 |
図書館の窓全開に新樹光 |
北海道小樽市 大橋 宮子 |
蕉翁の碑文字に溜る若葉雨 |
愛知県岡崎市 中根 佳子 |
卯の花腐し幣のはりつくさざれ石 |
大垣市 尾関 逸子 |
秀逸 |
さざ波の光の中を花筏 |
大垣市 日比野友子 |
陽炎にさらわれそうな母の背な |
大垣市 川瀬 幸子 |
猿楽の子役きりりと春を舞ふ |
大垣市 佐藤すみ子 |
風光る気力ばかりの余生かな |
不破郡垂井町 藤墳 淑 |
えんそくだお日さまぽかぽかありがとう |
大垣市 堤萌香(小三) |
大空へ盛り上がりゆく楠若葉 |
大垣市 森 芳昭 |
日まみれのなだり五彩の芝桜 |
埼玉県熊谷市 林 靖子 |
薔薇の香の中に産後の眠りかな |
大垣市 田村 久夫 |
料理教室ふきのごはんが炊き上る |
大垣市 日比 昌子 |
春風や象舎をのぞく肩車 |
大阪府高槻市 中澤実納子 |
入選 |
父母の居て子と孫の居て山笑ふ |
大垣市 米山みつ子 |
さくらさき水門川もきらきらと |
大垣市 田中健斗(小六) |
作業衣の花人となり昼休み |
東京都日野市 堀 美津子 |
花は葉に翁旅果ての城下町 |
東京都世田谷区 柴崎甲武信 |
夏めくや葉陰を抜ける水の音 |
大垣市 米山 方士 |
橋の名は覚へきれずや城朧 |
不破郡垂井町 臼井 梅乃 |
脱ぎかけて又刻を待つ竹の皮 |
岐阜市 佐藤 裕子 |
たきのおとこいもわたしもおどってる |
大垣市 日比野太星(小三) |
吊り橋に婚の鐘鳴る聖五月 |
大垣市 喜田 守 |
うぐいすがいろんな鳴き方ためしてる |
揖斐郡池田町 橋彩(小四) |
目をとじてみみをすませばたきの音 |
大垣市 高橋紫音(小三) |
火を消して秘境の宿の河鹿かな |
大垣市 田村 久夫 |
九尺の揺れの一しほ懸り藤 |
大阪府大東市 佐々木郁子 |
ポケットの小銭を移す更衣 |
大垣市 清水 進 |
辛夷咲き山に水音帰りけり |
大垣市 石束 澄雄 |
かたばみの種弾け飛ぶ清掃日 |
大垣市 林田 好子 |
代掻て水に攻めらる一軒屋 |
大垣市 矢橋 郁子 |
櫻人徳利を下げて義士の墓 |
埼玉県越谷市 佐久間 明 |
城山の上に尾を撥ね鯉のぼり |
福井県鯖江市 三ッ山 寛 |
手際よき頑固親父の雛納 |
愛知県豊田市 城山 憲三 |
選者吟 |
青鷺は矢も盾もなく立ち尽す |
由乃 |