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◆ 平成22年8月度 一般の部
投句総数 955句
選者 :大堀 武直
特選 |
洗い髪残る若さを結ひ上ぐる |
三重県津市 野田三枝子 |
弟の王手と叫ぶ端居かな |
大垣市 喜田 守 |
デゴイチの夏霧押してトンネルへ |
不破郡垂井町 山口 進 |
秀逸 |
くちびるの奥は咽喉なり水まんじゅう |
大垣市 宮脇眞壽夫 |
端居してけふを綴りし旅の宿 |
愛媛県松山市 金子真由美 |
冷麦に水都の水を惜しみなく |
大垣市 川口千代子 |
校庭の遊具はづされ夏休み |
大垣市 村田 通夫 |
夕焼や影絵となりぬ丘の街 |
大垣市 田村 久夫 |
その中に菩薩に似たる雲の峰 |
不破郡垂井町 臼井 梅乃 |
青蛙ゐて西行のゐるごとし |
愛知県豊田市 伊藤 泰孝 |
風鈴の舌に寒山拾得図 |
大阪府門真市 左海 和子 |
偕老の無言の夕餉麦茶汲む |
東京都小平市 水田 昌 |
夏草に針を取らるる花時計 |
愛知県岡崎市 鈴木 正紘 |
入選 |
がに股を見様見まねで阿波踊 |
大垣市 名和 永山 |
野薊の揺るるがままの山路かな |
石川県白山市 上畠 保正 |
反芻の百頭の黙額の花 |
大垣市 佐藤すみ子 |
息災に生きて潜りし夏祓 |
不破郡垂井町 児玉 信子 |
水遊び水の匂ひの子の帰る |
大垣市 清水登美子 |
お昼寝も日課の一つ好々爺 |
大垣市 澤井 国造 |
炎天に足場組みたる城普請 |
大垣市 森川きよ子 |
秋桜子忌敷紙替へる桐箪笥 |
大垣市 秋山くに子 |
父がせんじ母がいただく薬かな |
大垣市 今津喜代子 |
明易し影絵のやうに人動き |
大垣市 島 和子 |
原爆忌少女の歌ふアベマリア |
大垣市 名和 永山 |
青春はいくさの只中梅漬ける |
不破郡垂井町 臼井 梅乃 |
大ばった四肢に手間どる脱皮かな |
不破郡垂井町 多和田敦子 |
言ひ負けて真夜の風鈴鳴りやまず |
養老郡養老町 田中 英香 |
着る事もなき羅に樟脳を |
大垣市 鈴木美江子 |
雲の峰幟はためく古戦場 |
大垣市 春日井勝代 |
嘘ついて小鼻ひろがる夏休み |
大垣市 清水 富男 |
睡蓮や刻の止りし池の面 |
大垣市 三宅ヒサヱ |
売り家と書かれて垣の鉄仙花 |
埼玉県所沢市 海老名寿美子 |
そのことに触れず団扇をもてあそぶ |
福井県鯖江市 三つ山しげこ |
選者吟 |
下戸上戸揃ふて食らふ土用餅 |
武直 |