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十六万市民投句 作品
◆ 平成22年10月度 一般の部

投句総数 1,725句・一般投句数 523句・小中学生投句数 1,202句
選者 :田中 青志
特選
名月や歩めば影も歩みけり
大垣市  森  芳昭
身ほとりにそこはかとなき風は秋
愛知県一宮市  坂野真砂子
兜虫将の風格失わず
愛知県豊田市  伊藤 泰孝
秀逸
鈴虫の声震はせて籠のなか
大垣市  川瀬スマ子
サングラス戦後日本に裕次郎
大垣市  川瀬 幸子
名月に十万石の城浮かぶ
大垣市  野村 和男
芋の葉の背丈に伸びて月の頃
大垣市  永井田鶴子
サックスにトロンボーンも虫しぐれ
大垣市  多和田一徳
ひまわりの列車に向きて咲き揃ふ
大垣市  浅野 君代
人住まぬ隣となりし虫時雨
大垣市  伊藤 京子
騎馬像の勇姿浮き立つ稲光
大垣市  神野 武彦
なにはさておきこのまちに蛤塚忌
大垣市  若園  博
まだ背筋ピンと伸ばして稲の花
大垣市  加藤 祐子
入選
紙屑の如吹かれきて秋の蝶
愛知県一宮市  坂野國比古
蜩の鳴きて古刹の日暮かな
大垣市  岡田あや子
新涼や塗り直されし大鳥居
大垣市  野村多佳子
漕ぐごとに櫂日を返す秋暑かな
大垣市  坪井 克枝
皺ひとつなかりし遺影終戦忌
愛知県尾張旭市  古賀勇理央
屋根神を祀る美濃路や天高し
大垣市  村田 通夫
稲の花匂ふ輪中の名残り舟
大垣市  鶴田 信子
大杉を羽交い絞めせし蔦紅葉
関市  浅野 公夫
水門の激しく秋の水落す
千葉県佐倉市  内海 保子
鳶舞ふ里に小さな運動会
大垣市  安田 敏子
遮断機に止められてゐる残暑かな
大垣市  宮脇眞壽夫
角曲りふと新涼に出合ひけり
不破郡垂井町  多和田敦子
美濃近江つなぐ全天鰯雲
不破郡垂井町  臼井 梅乃
門前に茶店は二軒鰯雲
大垣市  横井 明克
二キロ買ふ暮らしにも慣れ今年米
大垣市  下村 常子
吾が庭に鳴いて親しきちちろ虫
大垣市  清水登美子
老いるとはこんなに淋し秋なのか
大垣市  小寺 春子
身丈より長き藁もて燕とぶ
不破郡関ヶ原町  大橋 順雄
菊の酒飲んで七十五年かな
埼玉県越谷市  佐久間 明
バスで過ぐ知らぬ田舎の村祭
兵庫県伊丹市  山地美智子
選者吟
枯葉散るどこからだれからは決めず
青志


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