「リサイクル作業」のお仕事

　大垣市のシルバー人材センター会員として生き生きと働く皆様のお仕事から、今回は大垣市郭町「リサイクルプラザ クルクルワールド」でのリサイクル作業のお仕事をご紹介いたします。

　「リサイクルプラザ クルクルワールド」とは、大型ごみとして排出された家具などに修理・清掃とアイデアを加えることで"不要なもの"を"有効なもの"として、皆さんに提供する場。
そして、市民の皆さんとともにごみ減量化について勉強し、いろいろな情報を交換する場でもあります。

　今回は、このクルクルワールドでリサイクルのお仕事を請け負う6名のシルバー会員さんにお話を聞きました。



　ここでは女性３名、男性３名が交代制で就業しています。
家具などの修理は男性３名が行い、女性３名は受付事務などのお仕事を担当しています。
粗大ごみとして出された家具の中から、まだ利用できそうなものをきれいに洗浄、壊れているものや弱っているものはしっかりと修理を施します。



　修理を担当する男性陣は、それぞれ前職で修理のお仕事などを経験されてきたベテランの方々。経験を活かし、こうして家具の修理のお仕事を請け負っているといいます。
ぎっしりと工具が並ぶ修理スペースで作業を始めた３名は、金槌を手に慣れた手つきで引き出しを解体、その後必要な部分に接着剤を塗布。歪んでいた部分を修正しながら再度元の形に組み立てていきます。
あっという間に組みあがった引き出しパーツは、お店で売られているものよりもしっかりとした安定感のある仕上がりになりました。
作業を行いながら、「ここで買うほうが、安くて良いものが手に入るよ」と担当の男性は笑います。



　こうしてきれいに洗浄、修理された品物はそれぞれ値段がつけられ、商品として店頭に並びます。 「クルクルワールド」を訪れたお客様は購入したい商品を選び、申込書を記入して抽選に応募(一か月に3点まで)。毎月１回行われる抽選に当選すれば、その商品を購入することができるという流れになっています。

　家具の抽選受付から当選通知、引き渡し作業までの事務作業を担当するのは女性陣３名の方々。
事務作業だけでなく、店頭へやってくるお客様の応対も担当します。
「来ていただいた方に気持ちよく見ていただき、気持ちよく帰って頂くように心がけている」と話す３名の女性は、長い方で13年、短い方でも4年間続けていらっしゃる大ベテラン。この仕事をはじめられたきっかけは様々で、シルバー人材センターでのパソコン研修を受講し資格を取ったことからこのお仕事と縁が繋がった方も。



　このお仕事での苦労を尋ねると、「お客様相手の仕事だから、気を使いますよ」と語っていただけました。
また洗浄と修理を担当する男性陣は、「修理にも様々な工夫が必要で、苦労することもある」とのこと。排出された家具の中から使えるものを見極め、修理のための部品が足りない場合は廃棄する家具から部品を探し修理に生かす。リサイクルという点で、持っている中でいかに良い修理をするか、いかにうまく再利用するかが大事だと言います。
　「捨てられる運命だった家具が息を吹き替えし、まだまだ使えるものが有効に活用されるお手伝いができるのはうれしい」と男性は語ってくださいました。



　クルクルワールドを利用するお客さんからも、「他のリサイクルショップと比較しても価格が格段に安い」「安い価格で良いものを分けていただいてありがたい」と好評。リピーターがその話を広め、たくさんの友人を連れてきてくださることも。
来店するお客様の数は月平均600〜700人にものぼるといい、家具購入の申込みは月に400件ほどあるといいます。

　好評の理由は商品の価格や質の良さの他にも、お客さんがここの「居心地の良さ」を感じるからかもしれません。
取材中も6名のメンバーさんは皆和気あいあいとされ、和やかでとても働きやすい雰囲気が伝わってきました。
「大変な面もあるが、この仕事をしていてよかった」と皆さん笑顔。
「接客は大変なこともあるが、もともとおしゃべりが好きだから、ここでいろんな人と話すのは楽しい」と女性陣。何度も通ってくださるリピーターとは顔見知りになることも多いといい、会話が増えるといいます。
修理を担当する男性陣も、「仕事があるということが本当にありがたい、生きがいにつながる」と静かに語ってくださいました。


　皆で和気あいあい力を合わせ、捨てられる運命だった家具を蘇らせる。アイデアと修理を加えることで"不要なもの"を"有効なもの"へ変身させ、お客様に提供する―――
そのことに皆さんがやりがいと生きがいを感じながら、生き生きと活躍していらっしゃいました。

　新たなやりがいや生きがいを得たい皆さん、そしていつまでも生き生きと現役でいたい皆さん、「大垣地域シルバー人材センターの会員」として地域で活躍しませんか？