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仕事の風景ややりがい

「障子・襖(ふすま)・網戸の張り替え」のお仕事

 大垣市のシルバー人材センター会員として生き生きと働く皆様のお仕事から、今回は「障子・襖(ふすま)・網戸の張り替え」のお仕事をご紹介いたします。

「障子・襖・網戸の張り替え」は名前の通り、古くなって破れたり汚れてしまった障子や襖、網戸を張り替えるお仕事。依頼のあった家庭を訪れ、障子や襖、網戸を回収。作業所に持ち帰り、張り替え作業を行います。
 今回は、大垣市世安町の作業所で張り替えのお仕事を請け負う4名の男性にお話をお聞きしました。



 作業所では、障子の張り替えを1名、網戸の張り替えを1名、そして襖の張り替えを3名で行っています。 6月には一級技能士の講師を迎えて「ふすま張替え講習会」を開催、会員7名の皆さんが技術を習得されました。



 ふすまなどの張り替え依頼はお盆やお正月など来客の増える時期の前に集中するといい、春からの夏の3か月でいただいた件数は10件強。お客様から依頼があると対象の家庭へと向かいますが、常にお仕事があるわけではないといいます。
「まだまだ市民の皆様に知られていない部分もある。これからどんどん知っていただけると良い」と作業所の皆さん。

 作業に携わる4名の経歴は様々で、障子や襖だけにとどまらず網戸の張り替えまでこなす職人歴の長い方や、新しく張り替えのお仕事を始めて2か月の方も。
どの方も皆、積極的に日々技術を磨いていらっしゃいます。
2か月前から新しくこの仕事に携わっている会員さんは、「この歳になって新しい仕事に挑戦でき、それを会得してお金がもらえるレベルになる。こんなに嬉しいことはない」と笑顔。



 しかし専門職である障子・襖・網戸の張り替え作業は、サイズも大きく大変難しい作業なのでは…とお聞きすると、「一朝一夕でできるようになる簡単な仕事ではない、しかしお客様のあることだから、失敗しましたでは済まない」と苦労を語ってくださいました。

張り替えに使用する紙の種類によって糊を塗布した際の紙の伸びかたが違うといい、それは天候にも左右されるとのこと。紙の種類や天候など様々な状態を見て糊の量を見極め、紙をベストな状態でうまく伸ばすのは経験で覚えるしかなく「なかなか口で人から教われるものではない」と皆さん。
作業を繰り返すことにより、その感覚を手が覚えてくるといいます。
 障子や襖、網戸はお客様の家庭の財産であり、作業には大変な気遣いを要します。どれだけ慣れた作業であっても、常に「うまくできるか?」という緊張を持ちながらの作業になるとのこと。



 しかしそのような緊張があっても、作業所の皆さんは「気を張って日々を送れるのはうれしい」「難しいからこそやりがいがある専門職だ」と笑顔でやりがいを語ります。
未経験から始めて2か月になる男性も、「今まで使わなかった筋肉を使うので、体に筋肉が付いてきたのを感じる。新しい仕事に挑戦することで体と頭の運動になり生活に変化が出た。ボケ防止になっている」と嬉しそうに語ってくださいました。
自分の仕事を孫にも自慢できるといい、「人生で今がいちばん最高」とニッコリ。

 また、お客様の反応もやりがいのひとつだと言います。
美しく立派に生まれ変わった障子をご家庭に取り付けに行くと、お客様は「見違えた」「こんなにきれいになるなんて」ととても喜ばれるとのこと。
「こんなに立派になるなら、他の場所もお願いしようかな」と言ってさらに依頼をいただける場合もあり「そういう喜びの声を直接聞くと、やはり胸にズンと来る」と皆さん。

 新たにこのお仕事を始めたいと考えている人に向けてのアドバイスを伺うと、「好きでないとできない。根気との戦いだが、新しいことに挑戦するということは他に何をするよりも若返りに効く。やる気と挑戦心が大切」と笑顔でアドバイスを頂けました。
ただ漠然とやる仕事ではない専門職だからこそ、刺激と成長を楽しみながら仕事ができる―――。作業所の皆さんは、挑戦することに楽しみを感じながら生き生きと活躍していらっしゃいました。
 新たなやりがいや生きがいを得たい皆さん、そしていつまでも生き生きと現役でいたい皆さん、「大垣地域シルバー人材センターの会員」として地域で活躍しませんか?

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