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◆ 平成27年8月度 一般の部
投句総数 1,665句・一般投句数 731句・小中学生投句数 934句
選者 :田中 青志
特選 |
あの空襲空は忘れて炎天下 |
大垣市 多和田 一徳 |
何もせぬ日があっていい猛暑かな |
大垣市 山田 千歌子 |
炎天を来て大垣の水旨し |
安八郡神戸町 高橋 日出美 |
秀逸 |
乗る人の来ず船頭の昼寝かな |
愛知県岡崎市 矢田 あさの |
言訳の舌が回らぬ跣足っ子 |
大垣市 棚橋 みさを |
自転車の白シャツ風を満帆に |
安八郡神戸町 後藤 和朗 |
待つと言ふ胸のときめき水を打つ |
大垣市 中山 あや子 |
人の世は花火のやうな夢ばかり |
揖斐郡大野町 藤田 涼子 |
秋暑し掛け違ひたる釦穴 |
岐阜市 堀江 美州 |
兄弟の水鉄砲の果し合ひ |
大垣市 町野 眞佐子 |
手花火の終ふれば元の深き闇 |
大垣市 伊藤 鈴子 |
鳴り止まぬ踏切の音油照 |
岐阜市 石崎 宗敏 |
故里の卓袱台茄子づくしかな |
愛知県豊田市 城山 憲三 |
入選 |
戦争の語り部も老い原爆忌 |
安八郡神戸町 高橋 日出美 |
平泳ぎ泣き虫の孫優勝し |
大垣市 杉ア 郁子 |
動いても動かなくても只暑し |
大垣市 棚橋 みさを |
顔の前嬰の尻ある昼寝かな |
不破郡垂井町 北村 廣美 |
木の蔭に紙置くやうに梅雨の蝶 |
揖斐郡揖斐川町 粟野 みねお |
父越ゆる日はいつのこと朴の花 |
東京都日野市 熊澤 初江 |
子等去って残るぶらんこ風に揺れ |
大垣市 今津 正元 |
戦後史のなかに自分史走馬燈 |
不破郡垂井町 児玉 信子 |
二人とは家族のはじめ稲の花 |
養老郡養老町 田中 秀子 |
つばめの子見てゐる子らも口を開け |
愛知県名古屋市 舘野 茂子 |
帰る子を見送る窓辺星月夜 |
大垣市 森川 きよ子 |
打水の庭にそろへて紅鼻緒 |
大垣市 川瀬 喜梅古 |
校庭の木立かがよひ梅雨上がる |
揖斐郡大野町 藤田 涼子 |
打水や境界のなき親しさに |
大垣市 清水 登美子 |
観覧車雲の峰より繰り出し来 |
岐阜市 堀江 美州 |
風鈴を吊るや飛びつく風のあり |
大垣市 日比野 友子 |
涼しさは人の情や朝市女 |
不破郡垂井町 臼井 梅乃 |
そつと手に夜具ひき寄せて秋近し |
大垣市 大角 信華 |
年取らぬ写真を拭いて盆支度 |
大垣市 伊藤 美翠 |
空およぐビニル袋の金魚かな |
愛知県名古屋市 纐纈 敬吾 |
選者吟 |
ひとつ高く跳び炎天へ打つて出る |
青志 |
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