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平成24年度
大会入選句集

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芭蕉蛤塚忌全国俳句大会 入選作品
◆ 平成24年度 事前投句の部 佳作

佳作
葬家に灯を恋ふ蝦蟇の居坐りて
岐阜県 野原ふき女
山萩に雨脚たたみくる故郷
岐阜県 太田眞佐子
よく眠る母の一日蛍草
岐阜県 松居 聖子
蛤塚忌名を変へながら川流れ
岐阜県 御田村きよ
川の藻に日の深く射し蛤塚忌
岐阜県 若村あきえ
青田波その隣田は代田波
岐阜県 河口 康子
この池で生きねばならぬ蝌蚪の紐
鳥取県 西尾 青雨
ニン月や升製造所桧の香
愛知県 岩田 澄子
朴散れり山の宴の終るごと
岐阜県 市原 幸子
千年の杉の鼓動や苔の花
岐阜県 小窪 伊吹
踊り子草ゆるるは山の余り風
岐阜県 長野美代子
青き踏む一千頭の羊追ひ
岐阜県 田中 秀子
ハミングをしつつ藪蚊のやつてくる
岐阜県 小胎 洋子
道三と思しき猪に田を盗られ
岐阜県 長尾 豊和
更衣してやはらかき風にあふ
愛知県 大矢 節子
雪のことより始まりし母の文
岐阜県 片渕 夏江
しばらくは焚火の中の藷の番
岐阜県 矢澤 瀞子
蛤塚忌水門川は伊勢めざす
岐阜県 片岡 和子
苺にも母といふ字のつく不思議
千葉県 菅谷 貞夫
約束を交して別れ蛤塚忌
愛知県 加藤 清美
草を刈るだけの仕事を貰ひけり
滋賀県 川瀬 正子
両替の外貨の重さ終戦日
岐阜県 七種 萩子
日焼けして石工石の目探しをり
岡山県 森脇 渓月
雨の日の向日葵どれもごめんなさい
愛知県 重留 香苗
はせを句碑ひと日は山車のかげに措く
岐阜県 小川 啓子
焚火して寂しき人を集めけり
京都府 北村 峰月
ひとひねりして橋くぐる春の鯉
岐阜県 高見 周子
春愁や夫の遺品は瓦礫中
岐阜県 三和喜美尾
夏燕軒にせはしき木曽街道
愛知県 足達紀代子
秋うらら水棹ねかせて潜る橋
愛知県 大平 和男
蛇衣を脱ぐ音のして桶狭間
愛知県 光田 道子
起震車にみんな乗せられ敬老日
千葉県 安藤喜代子
完売や畑へ大根引きに行く
大分県 吉武 千束
棒のごとき白息を吐く糶師かな
山口県 粟谷 昭二
一匹に自由と孤独金魚鉢
岐阜県 北川千鶴子
しばらくは己が尾に戯れ捨子猫
岐阜県 苅谷裕里子
愛想のなき苗売りの苗を買ふ
岐阜県 梅村 五月
美濃の水提げて二駅蛤塚忌
岐阜県 早崎美弥子
五橋まで覚えて渡る蛤塚忌
岐阜県 渡辺 尚武
母よりも祖母の情濃し山桜桃
岐阜県 片山あや女
疲れたる我も獣や岩清水
青森県 福士 謙二
折れさうな仔馬の足が母を追ふ
岐阜県 河田 和代
潜るもの皆丸ふなる茅の輪かな
岐阜県 伊藤 明美
ほうたる来い逝きて帰へらぬ父母連れて
大阪府 長谷川ちえ子
キャンパスにふくらむ余生新学期
栃木県 谷口 畔水
軒に吊るてるてる坊主遍路発つ
兵庫県 山尾カツヨ
二の腕の弛み増したる大暑かな
愛知県 稲熊 明美
急峻な山しぼりつつ漆掻
岐阜県 久村つた子
銀漢を仰ぎ一歩を踏み出せり
岐阜県 後藤 和朗
夏怒濤古希過ぎてこの体たらく
埼玉県 高橋 榮一
出来たての匂ひの茅の輪くぐりけり
愛知県 安井千佳子
田水張る全天の星映すため
北海道 濟藤まさし
信長のまつりの後の馬冷す
岐阜県 山下美夜子
蛤塚忌伊勢へこのまま下りたく
兵庫県 松岡たけを
山車廻すたび昂りて男衆
岐阜県 服部紀代子
それぞれに太陽もらひしゃぼん玉
岐阜県 大橋庄一郎
古希迎ふ梅雨の晴間は歩かねば
愛知県 青木 草方
寒柝のはじめの一打神へ向け
三重県 山田 良一
小流れに薬缶浸して明易し
岐阜県 加納 輝美
初鴨の月日はじまる水面かな
大分県 中野貴美子
花椎のむくむく光る里の山
岐阜県 小椋いつを
海人衣干さる軒端へ燕の子
岐阜県 河合 愛子
色鳥も来よむすびの地記念館
愛知県 布目美弥子

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