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芭蕉蛤塚忌全国俳句大会 入選作品
◆ 平成30年度 事前投句の部 [3句1組] 入選

入選
諸手より転げ落ちたるなすびかな
兵庫県 中島  保
日時計の針いきいきと夏に入る
岐阜県 松岡 裕子
蚊遣香母には母の時ありて
岐阜県 船田恵津子
空魚籠になすびを入れて帰りけり
愛知県 与玖法破来
流れたき流れの形ち蛤塚忌
愛知県 小沢 芳治
わずかなる風にもゆれて小判草
島根県 永島 亨江
鰯雲無辺の風に吹かれおり
福岡県 羽犬塚 結
片足を虹に掛けたる庭師かな
愛知県 安井千佳子
懸巣鳴く光悦垣の露地の奥
愛知県 河村 惠光
仲直りしてぶらんこを入れ替る
岐阜県 西川寿嘉子
臍の緒の箱あけてみる土用干
岐阜県 山田紀美子
桜蘂降るサドルにも鞄にも
愛知県 小倉 幹弘
蜘蛛の囲を払ひ冒険始まりぬ
岐阜県 村山 恭子
久那斗神草の花咲く塩の道
愛知県 森  宣子
土用東風大樹の下に椅子ひとつ
岐阜県 中島美奈子
平成の貌してをりぬ蚊遣豚
岐阜県 田邊 桂月
茅葺を突き抜けてゐる夏木かな
岐阜県 牧田 文子
病むわれに厳しかりし母枇杷熟るる
埼玉県 森田 公司
掛け軸のふはりと浮きし夏座敷
愛知県 五十嵐恵美子
葱ふせて今朝つつがなき土用かな
岐阜県 山口 幸子
山笑ふ眼鏡の上に眼鏡かけ
岐阜県 小寺佳津女
水無月の堰落つ水の厚さかな
奈良県 弓場あす華
盆の僧此の世の噂してゆけり
岐阜県 蒔田多佳子
結ぶとは始まりのこと毛糸編む
滋賀県 小野 雅子
欠航の二日めとなり神の旅
神奈川県 中村きよみ
子供等のまた来てさわるねむり草
千葉県 月岡 千秋
白鳥の花ある浦となりにけり
滋賀県 熊谷 謙一
けさ秋の塩に湿りし塩叺
岡山県 伊丹 裕子
白魚の頑是なき眼に見られけり
岐阜県 後藤 昌枝
水城下も暮れて藤白し
岐阜県 寺澤  弘
風鈴を吊りて町家のラジオ局
岐阜県 関谷 恭子
深閑との町や星月夜
愛知県 櫻井 幹郎
虚ろなる馬糞の山や春の蝶
滋賀県 増本 真弓
鮎を掴み取りたる惟然坊
岐阜県   房子
漱石もみすゞも好きで水中花
長崎県 麻生 勝行
伊吹嶺の雲の行き交ふ苗障子
岐阜県 福井みどり
陽炎や人魚の鱗落ちてをり
愛知県 奥村 邦子
ひとり心ふたり心にさくら散る
愛知県 石井 雅之
満月のふわりと尾根をはなれたり
滋賀県 保積 和人
人が人愛して蝶が蝶を追ふ
岐阜県 矢橋 郁子
はひはひの出ては戻され花筵
兵庫県 杉岡 壱風
植ゑし田に雲誘ひ出す蛙鳴く
岐阜県 横井 美圭
白山の遠きかがやき早苗月
岐阜県 山下美夜子
頂上の明るむ古墳ねむの花
千葉県 きたの耕太
不器用は不器用なりに平泳ぎ
岐阜県 松岡 千代
生き生きと農業高校カンナ燃ゆ
岐阜県 渡部とし子
七夕や浜に残れる火のにほひ
香川県 涼野 海音
青き踏む校歌の洩るる辺りまで
秋田県 坂  一草
初日の出欠伸するごとありにけり
滋賀県 喜龍 けん
狛犬が引き寄せてゐる蜘蛛の糸
岐阜県 村田 通夫
弁当に彩どり添へしさくらんぼ
群馬県 深沢 頼子
笠阿弥陀あれは亡き兄風の盆
東京都 朝田 黒冬
風鈴に触れて散らばる風に色
三重県 浜西  修
奈良の墨干す縄荒し蝶の昼
岐阜県 片山あや女
吉良寺に落語会あり沙羅の花
愛知県 三浦 貞葉

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