HOME > 芭蕉蛤塚忌全国俳句大会 入選作品 > 令和5年度 事前投句の部 [3句1組] 准賞

◆ 令和5年度 事前投句の部 [3句1組] 准賞
准賞 |
原子炉に沈む若狭の大西日 |
静岡県 庄司 正美 |
水まんじゅう掬ふ手のひら泳がせて |
岐阜県 矢橋 郁子 |
若竹の撓ひて風の新らしき |
岐阜県 春日井勝代 |
手花火のいつしか女ばかりの輪 |
愛知県 乙部 妙子 |
鳥声を鏤め樟の新樹かな |
滋賀県 三田村栄子 |
動くものみな追いかけて捕虫網 |
岐阜県 細川 敦子 |
疲れ鵜の鵜匠見上げてをりにけり |
神奈川県 塚本 治彦 |
新しきルージュにしたる十三夜 |
愛知県 小原あつ子 |
夏雲の生まれるところ伊吹山 |
岐阜県 八木茂都子 |
秋風や風のうしろに誰もゐぬ |
福岡県 松本 西夏 |
御城下の堀割長し花筏 |
愛媛県 渡辺 国夫 |
鐘楼の中の地獄絵蛤塚忌 |
愛知県 牧 長良集 |
ハリヨ棲む清水を護る子が宝 |
岐阜県 近藤 敏郎 |
姿見に光集まる更衣 |
京都府 亀山みか月 |
幼子を連れ去りさうよ花吹雪 |
京都府 亀山みか月 |
枯蓮はぜる力を風に得ぬ |
三重県 米野てるみ |
走り根を越える走り根夏盛ん |
三重県 上村えつみ |
夏めくや夫婦揃ひて刈上げに |
岐阜県 浅野智恵美 |
夜濯の水捨つる音はばかりつ |
愛知県 浅野 敏子 |
画箋紙の滲みもつたり梅雨曇り |
東京都 石川 桜衣 |
一途なる川のきらめき蛤塚忌 |
兵庫県 杉岡 壱風 |
クフ王の見た太陽やサングラス |
千葉県 鈴木 武 |
知らぬ間に更地となりて冬ざるゝ |
岐阜県 川上 初枝 |
白秋やてのひらにのる竹生島 |
岐阜県 山下美夜子 |
左官屋の独りしぐるる仕上鏝 |
岐阜県 山下美夜子 |
埋門跡とや北風の出入り口 |
愛知県 小出 眞澄 |
手土産の水汲みゐたる蛤塚忌 |
岐阜県 福井みどり |
花栗の風なまなまと夜の帳 |
岐阜県 鳥沢 尚子 |
三川は力を抜ひて水澄めり |
愛知県 小沢 芳治 |
夏衣死よりも老いを怖れけり |
愛知県 古賀勇理央 |
路地奥へ祭囃子は風に乗り |
岐阜県 柏瀬 澄子 |
きざはしに脛打ちつけて沖縄忌 |
岐阜県 八木茂都子 |
花の昼象にもありぬ笑ひ皺 |
愛知県 富田 範保 |
花祭統ぶる仏の丈二寸 |
愛知県 古賀勇理央 |
百才は当座の目安花茗荷 |
東京都 関戸 信治 |
泣き声の形にゼリー崩れけり |
神奈川県 原田 紫野 |
鉄塔に透ける山なみ更衣 |
新潟県 伊藤一二三 |
面売りの面を頭に秋祭 |
愛知県 中根由起子 |
水中花雨が上がれば透きとほる |
岐阜県 江黒 愛子 |
行く秋や付箋の多き時刻表 |
東京都 大月 弓香 |
足早に巡礼の行く青田道 |
岐阜県 寺田 好子 |
重力のまま匙の入る水蜜桃 |
岐阜県 遠藤加容子 |
水張ってすべて蛙の田となりし |
岐阜県 恩田千恵子 |
山門に杖五六本老鶯す |
愛知県 稲![]() |
この宇宙たつた一つの立葵 |
兵庫県 益田 信行 |
大声で豆をまかねば消ゆる村 |
群馬県 木下 涼薫 |
下校してぐつすり寝る子若葉風 |
岐阜県 加藤 寿志 |
東の空まで焦がし梅雨夕焼 |
岐阜県 春日井勝代 |
太陽を煽りてゐたる蝉時雨 |
神奈川県 山田 知明 |
遍路杖今日の入り日に立て掛けり |
埼玉県 蓮見 玲子 |
流灯の後先になり消えにけり |
岐阜県 滝沢 壽雄 |
伊吹嶺の福助めきて夏果つる |
神奈川県 前川 整洋 |
ひるがへる腹の金色梅雨鯰 |
岐阜県 後藤 和朗 |
をちこちに水涌く街や夏来る |
岐阜県 恩田 紀世 |
全身を水鉄砲にして遊ぶ |
京都府 西洞院海太 |
黴の香の親し円空仏とゐて |
愛知県 藤田佑美子 |
ひとりづつ飲んでみんなが生ビール |
滋賀県 中島 正則 |
盆用意隣は墓を仕舞ひ居り |
岐阜県 林 常住 |
燕来るむすこ帰らぬこの家に |
大阪府 森 佳月 |
大西日横一列の電車席 |
愛知県 成田 乱泊 |
指切りの契りに力雲の峰 |
神奈川県 渡辺 一充 |